ビッグ・シーフのセカンドアルバム『Capacity』は、家族の歴史とトラウマを丁寧に掘り起こし、繊細かつ複雑に構築されたフォークロックのレコードに仕上げており、シンガー、エイドリアン・レンカーの秀逸な才能が際立っている。
- Pitchfork(Best New Music)

グラミー・ノミネート歴もある現代フォーク・バンドの代表格、ビッグ・シーフ。2017年に、エイドリアン・レンカー(Vo/Gt)、マックス・オレアルチック(Ba)、バック・ミーク(Gt)、ジェームズ・クリヴチェニア(Dr)の4人から成るバンドがリリースしたセカンド・アルバム『Capacity』が、2025年1月31日(金)に〈4AD〉より再発されることが発表された(マックス・オレアルチックは、2024年7月に脱退を発表)。
「Mythological Beauty」や「Shark Smile」など、指折りの人気曲を収録しているこのアルバムは、Pitchforkの「Best New Music」に選出され、8.3点の高評価を獲得。NewsweekやFLOOD Magazineなどの2017年ベスト・アルバム・ランキング第1位、NPR Musicにおいても第3位に選出されるなど、国内外のメディアが選ぶ、2017年の年間ベスト上位に多数ランクインした今作は、ファンだけでなく評論家からも高い支持を獲得しており、ビッグ・シーフの輝かしいキャリアを語る上で欠かせない作品となっている。



2016年にリリースされたデビュー・アルバム『Masterpiece』に続き、『Capacity』は、プロデューサーのアンドリュー・サーロと共に、ニューヨーク州北部にある雪深い冬の隠れ家、Outlier Studioでレコーディングされた。このアルバムは、傷つけられた人々や、奪われた人々の日常へと驚くほど素早いペースで飛び込んでいく。人々は出会い、別れ、怯えたり、癒されたりしながら、再び無防備な状態へと再生する。エイドリアン・レンカーの歌は、多面的な女性像の数々を登場させ、アイデンティティという複雑な問題を扱っている。それらの女性像は、危うくもあり、好奇心をそそるものでもあるが、決して真実味のないものではない。このアルバムには、加工されていない生の美しさが詰まっている。『Capacity』に収録されている曲は、スタジオで練られ、その日のうちに録音されたものばかり。「このアルバムには、より深い闇と、より明るい光がある」とレンカーは説明する。「これらの曲は、自分自身をより深く受け入れること、そして、内面の世界と外界の世界をともに受け入れることを探求している。この探求は、苦悩からの最初の反応として、おそらく『Masterpiece』から始まったものであり、『Capacity』では、さらに広い視野を持って、その探求が続けられている。」

〈4AD〉から再発となるビッグ・シーフのセカンド・アルバム『Capacity』は、CD、LPにて世界同時リリース。国内盤CDには、解説書/歌詞対訳が封入される。LPは通常盤(ブラック・ヴァイナル)に加え、ワンプレスオンリーの限定盤(エコカラー・ヴァイナル)も発売される。