Photo Credit: Madeline McManus

『POPtical Illusion』が証明しているように、ケイルは今もなお第一線の存在だ。
- MOJO ★★★★

何度も再生したくなる魅力的な作品
- Record Collector ★★★★

82歳にして、このアバンギャルドの生涯の支持者は、幅広い新しい方向へと見事に突き進んでいる。
- The Times

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのオリジナル・メンバーで、音楽史において、サウンドとカルチャーの両面で巨大な変革をもたらし、今もなお時代の先端を行く伝説的ミュージシャン、ジョン・ケイル。この夏の初め、ジョン・ケイルはわずか1年余りで2枚目となるアルバム『POPtical Illusion』をリリースし、高い評価を得た。『POPtical Illusion』には、ケイルの2023年発表のアルバム『MERCY』にもあったような、探究心と猛烈さも含まれていたが、怒りとその理由を決して無視することなく、しかし未来に向かおうとしている人物の作品だ。

彼は、変化はまだ可能であるという賢明な主張を持っている。ニュー・ウェーヴとブライアン・ウィルソンの喜びが交錯する軽快な「Davies and Wales」で、彼は「もし、あなたが今まで、しなければよかったと思っていたことをしたのなら、今夜、あなたがしようとしていることを考えてみてください」と歌う。

今回、新たにその「Davies and Wales」のビデオが公開された。『MERCY』収録の「STORY OF BLOOD」のビデオも手がけたエミー賞受賞監督、ジェスロ・ウォーターズが監督した映像は、ジョン・ケイルにしかできない、アップビートかつメランコリックで、ハッピーで変幻自在、ノスタルジック、モダン、美しい心の痛みといったものを一度に表現している。この曲には、ウェールズでの青春時代、ニューヨークやカリフォルニアでの時間など、様々な感情が詰め込まれている。

John Cale - Davies and Wales (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=d-aq5vi1XQw/

ジョン・ケイルはその輝かしいキャリアを通して時代の先端を切り拓き続けている。彼が『Sun Blindness Music』で取り入れた当時最先端のドローンは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドへの道を拓いた。パティ・スミスやストゥージズのプロデュースは言うまでもなく、『Fear』や『Slow Dazzle』の熱狂的なロックは、その後に続くパンク、ポストパンク、アートロックの半世紀の枠組みを作った。そして、ロックにおいて電子音響がギミック以上のものになり得ることを示す彼の好奇心は、無数の重要なシーンにインスピレーションを与えた。ケイルは『POPtical Illusion』で、ふたたびこの時代のミュージシャンとして立ちあがる。彼は昨今の歴史の組織化された大混乱を見て、うんざりして眉をひそめ、それから未来に向かって踵を返す。たとえ彼が、我々と同様、そこで何を見つけるのか、または自分が何者になるのかわかっていなくても。彼はただ喜んで前に進んでいるのだ。

ジョン・ケイル最新アルバム『POPtical Illusion』は、CDと2枚組LP、デジタル/ストリーミング配信で好評発売中。国内盤CDには、歌詞対訳付きの解説書が封入され、ボーナストラックが2曲追加収録される。LPは通常盤(ブラック・ヴァイナル)に加え、限定盤(ネオン・オレンジ・ヴァイナル)の2形態で発売されている。