ジョンケイル最新アルバム「POPtical Illusion」の発売を記念して、
特製マグカップやステッカーが当たる店頭抽選を開催!!
【JOHN CALE キャンペーン2024】
対象商品を下記店舗にてご購入いただくと抽選で
特製マグカップやステッカーが当たる店頭抽選を開催!!
【店頭抽選 開催店舗】
タワーレコード仙台パルコ店、渋谷店、新宿店、横浜ビブレ店、名古屋パルコ店、
近鉄パッセ店、梅田NU茶屋店、タワーオンライン
ディスクユニオンお茶の水店、BEATINK.COM
【キャンペーン期間】2024 年6月14日(金) ~ 7月28日(日)迄
【抽選賞品】
A賞、John Caleマグカップ
B賞、ロゴ・ステッカー
※賞品は無くなり次第終了致します。
【キャンペーン対象アイテム】 ( 国内盤CD、輸入盤CD、輸入盤LP)
・JOHN CALE 「POPtical Illusion」
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13990
・JOHN CALE 「MERCY」
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13095
・NICO「The Marble Index」 (JOHN CALEプロデュース作品)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13893
・NICO「Desertshore」(JOHN CALEプロデュース作品)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13894
【John Cale biography】
ジョン・ケイルの広範な「キャリア」がいつから始まったかは諸説あるだろう。1942年に南ウェールズの小村に生まれ、ピアノやヴィオラを弾きこなす早熟な神童がBBC向けに自作曲を演奏した時から数えれば70年近いが、彼がロンドンを経由しアメリカに渡った1963年を起点に話を進めよう。
奨学金を得て米音楽院に入学したものの、アカデミアの束縛を逃れ程なくしてマンハッタンへ。ジョン・ケージの薦めで64年にラ・モンテ・ヤング主宰のドローン楽団:シアター・オブ・エターナル・ミュージックに参加。続いて、当時職業作曲家だったルー・リード――誕生日が1週間しか違わないリード&ケイルは海を越えた「兄弟」だ――と出会い即興系のグループを結成。実験映画上映会他で演奏を重ねた彼らは65年にザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドに改名し、ポップ・アート界の大君=アンディ・ウォーホルに庇護される。
ブライアン・イーノが「(発売当時は売れなかったが)実際に買って聴いた者は全員、バンドを始めただろう」と評した『The Velvet Underground & Nico』(67)は、グラム/アート・ロック/パンク/ノイズ/オルタナに至るドアを開いた金字塔的アルバムのひとつ。ロックンロールと前衛現代音楽の相克をラディカルに押し進めたセカンド『White Light/White Heat』(68)でひとつの頂点に達したが、この年にケイルはVUから追放される。リードのソングライターとしての才能に疑問の余地はないとはいえ、メンバーで唯一クラシックな音楽訓練を積み、マルチ・プレイヤーなケイルの発想とサウンド面での貢献抜きにこの2枚は語れない。
だが「ロックンロール・バンド」のくびきを離れたことで、彼はそのクリエイティヴな翼を広げたとも言える。VUファーストの姉妹作『Chelsea Girl』(67)への貢献に続き、黒曜石なゴシック・ロックの元祖と言えるニコの傑作群=『The Marble Index』(68)と『Desertshore』(70)で編曲/プロデュースを担当。プロト・パンクの名盤『The Stooges』(69)や『The Modern Lovers』(発表は76年だが録音は71〜72年)、そしてパティ・スミスの『Horses』(75)と、プロデュース歴には綺羅星のごとき作品が並ぶ。
プロデューサー/ゲスト奏者として引く手数多だった一方で、ソロ活動も始動。デビュー作『Vintage Violence』(70)、巨匠テリー・ライリーとのコラボ『Church of Anthrax』(71)、『Academy in Peril』(72)はポップ&ロック/ミニマリズム/モダン・クラシカルを自由に横断するいずれも必聴作だが、リリカルなメロディと奔放な想像力が堪能できるチェンバー・ポップの傑作『Paris 1919』(73)は中でも多くのファンに愛される「心の1枚」だ。
先鋭的な英〈Island Records〉と契約し、イーノ/ニコ/ケヴィン・エアーズとのコラボ・ライヴ盤『June 1, 1974』(74)を皮切りに「アイランド三部作」=『Fear』(74)、『Slow Dazzle』『Helen of Troy』(75)を1年強の間に立て続けに発表。その後も歌い継ぐ代表曲を多く含むアイコニックなこれら3作で、彼は一般的な意味での「ロック」話法を掘り下げると共に脱構築していった。
VU以来初めてバンドを編成し(顔ぶれは時期によって変化する)積極的にツアーに乗り出した彼は、パフォーマーとして大きく飛躍する。当時のパンク〜ニュー・ウェイヴ勢との連携および共振はEP『Animal Justice』(77)や自身のレーベル〈SPY〉から発表した『Sabotage/Live』(79)――NYパンクのお膝元クラブ:CBGBで収録――に烈しく記録されている。ケイルの音楽には常に暴力・怒り・狂気のダークな底流と美しさ・調和が隣り合わせだが、パラノイアなサイコドラマの表出という意味では最もエクストリームな時期だ。
この地獄の季節を経て、80年代のケイルは徐々に一種の「悪魔祓い」、そしてアイデンティティ再編成のプロセスに入っていった。『Honi Soit』(81)、『Music For A New Society』(82)、『Caribbean Sunset』(84)、『Artificial Intelligence』(85)――過去同様、時期は近いもののスキゾなくらい1作ごとの音楽的な追及点は異なり、共作者も多彩だ。『Honi〜』のパンチの効いた(90年代オルタナを予期するごとき)サウンド、『A.I.』のモダンAOR調も興味深いが、スタジオでの即興から編まれたアンビエントなトーン・ポエムと歌を合わせた『MFANS』は当時の彼のフラジャイルさを克明に伝えるひとつの「プライマル・スクリーム」。このエモーショナルな名作を、ケイルは2016年に『M: FANS』としてアップデートしている。
いわゆる「歌ものポップ」路線が不発に終わり、ケイルは一時的に表舞台から退く(その背景には娘の誕生や闘病といった事情も作用しただろう)。クラシック作曲家としてのルーツに回帰し委嘱作品やサントラ制作が増え始め、故郷ウェールズを代表する詩人ディラン・トマスの詩を主軸とする「フォークランド組曲」に取り組む。87年初演のこの大作は、イーノのプロデュースによりロシア/ウェールズ/ロンドンで録音された『Words for the Dying』(89)に結実。『Academy〜』以来の本格的なオーケストラとの共演となった。
80年代は過去に撒いた種子が花開き始めた時期でもあった。83年にVUバイオ本の嚆矢『Up-Tight』が初版され、再評価の声は年を追うごとに高まった。87年のウォーホルの死をきっかけにケイルはリードと約20年ぶりにコラボ。88年のニコの死を経て、両者にしか作れない秀逸かつテンションの高いソング・サイクル『Songs for Drella』(90)が生まれた(この状況を追い風に93年にVUは悲願の再結成を果たすものの、約1ヶ月の欧州ツアーを消化し離散)。その半年後にイーノとの唯一の連名アルバム『Wrong Way Up』発表。『〜Drella』とは対照的なブライトなポップがうららかに鳴る、洗練されたサウンドに両者の持ち味&歌声が溶け合う隠れた名盤だ。
翌年、レナード・コーエンのトリビュート作『I’m Your Fan』に〝Hallelujah〟を提供。原曲を編集したケイル・ヴァージョンは続く解釈(ジェフ・バックリィ他)の土台となり、この曲のスタンダード化に貢献した。この時点における「ベスト盤」とも言える名曲・名演が味わえる92年のソロ・リサイタル盤『Fragments of a Rainy Season』でも〝Hallelujah〟は披露されている(同作は曲順をオリジナル演奏順に戻し、ボーナス音源を加えたDX仕様で2016年に再発)。
デヴィッド・バーン、モー・タッカーらが参加した『Walking on Locusts』(96)、自伝『What Welsh for Zen』出版で90年代を締めくくったケイルはコラボ陣の顔ぶれを一新。メジャー復帰作『HoboSapiens』(03)での打ち込みとサンプリングの大胆な導入は冒険者の健在ぶりを印象づけ、久々にフル・バンドを率いてツアーを敢行。刷新された創造性とエネルギーを封じ込めた『blackAcetate』(05)は彼の最も「ロック」な1枚だ。
2011年に最大手インディのひとつ〈DOMINO〉に移籍、鬼才デンジャー・マウスが参加した『Shifty Adventures in Nookie Wood』(12)でヒップホップ経由のサイケ・ポップを展開。その前後も『Paris〜』全曲再演、『MFANS』リワーク他多忙だったが、コロナ禍は良い意味でのリセットになったようだ。気鋭の若手――アニマル・コレクティヴ、ローレル・へイロー、アクトレス他――が協力した幽玄で重厚な『MERCY』(23)は、柔軟な感性と深い年輪が響き合うケイルの等身大の「今」を伝える新たなマスターピースとなった。
そして早くも、この時期に数多く書かれた楽曲から選りすぐった新作『POPtical Illusion』が登場する――こちらは一転、ケイルと腹心ダスティン・ボイヤー&ニタ・スコットの3人で作ったインティメイトな内容だ。60年以上にわたる足跡を駆け足でたどってみたが、基盤は頑強ながら新たな挑戦に躊躇なく踏み出す彼の「同じことは二度とやらない」不動な姿勢は音の世界を広げ続けている。
(坂本麻里子)
ジョンケイル最新アルバム「POPtical Illusion」の発売を記念して、
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・JOHN CALE 「POPtical Illusion」
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13990
・JOHN CALE 「MERCY」
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13095
・NICO「The Marble Index」 (JOHN CALEプロデュース作品)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13893
・NICO「Desertshore」(JOHN CALEプロデュース作品)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13894
【John Cale biography】
ジョン・ケイルの広範な「キャリア」がいつから始まったかは諸説あるだろう。1942年に南ウェールズの小村に生まれ、ピアノやヴィオラを弾きこなす早熟な神童がBBC向けに自作曲を演奏した時から数えれば70年近いが、彼がロンドンを経由しアメリカに渡った1963年を起点に話を進めよう。
奨学金を得て米音楽院に入学したものの、アカデミアの束縛を逃れ程なくしてマンハッタンへ。ジョン・ケージの薦めで64年にラ・モンテ・ヤング主宰のドローン楽団:シアター・オブ・エターナル・ミュージックに参加。続いて、当時職業作曲家だったルー・リード――誕生日が1週間しか違わないリード&ケイルは海を越えた「兄弟」だ――と出会い即興系のグループを結成。実験映画上映会他で演奏を重ねた彼らは65年にザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドに改名し、ポップ・アート界の大君=アンディ・ウォーホルに庇護される。
ブライアン・イーノが「(発売当時は売れなかったが)実際に買って聴いた者は全員、バンドを始めただろう」と評した『The Velvet Underground & Nico』(67)は、グラム/アート・ロック/パンク/ノイズ/オルタナに至るドアを開いた金字塔的アルバムのひとつ。ロックンロールと前衛現代音楽の相克をラディカルに押し進めたセカンド『White Light/White Heat』(68)でひとつの頂点に達したが、この年にケイルはVUから追放される。リードのソングライターとしての才能に疑問の余地はないとはいえ、メンバーで唯一クラシックな音楽訓練を積み、マルチ・プレイヤーなケイルの発想とサウンド面での貢献抜きにこの2枚は語れない。
だが「ロックンロール・バンド」のくびきを離れたことで、彼はそのクリエイティヴな翼を広げたとも言える。VUファーストの姉妹作『Chelsea Girl』(67)への貢献に続き、黒曜石なゴシック・ロックの元祖と言えるニコの傑作群=『The Marble Index』(68)と『Desertshore』(70)で編曲/プロデュースを担当。プロト・パンクの名盤『The Stooges』(69)や『The Modern Lovers』(発表は76年だが録音は71〜72年)、そしてパティ・スミスの『Horses』(75)と、プロデュース歴には綺羅星のごとき作品が並ぶ。
プロデューサー/ゲスト奏者として引く手数多だった一方で、ソロ活動も始動。デビュー作『Vintage Violence』(70)、巨匠テリー・ライリーとのコラボ『Church of Anthrax』(71)、『Academy in Peril』(72)はポップ&ロック/ミニマリズム/モダン・クラシカルを自由に横断するいずれも必聴作だが、リリカルなメロディと奔放な想像力が堪能できるチェンバー・ポップの傑作『Paris 1919』(73)は中でも多くのファンに愛される「心の1枚」だ。
先鋭的な英〈Island Records〉と契約し、イーノ/ニコ/ケヴィン・エアーズとのコラボ・ライヴ盤『June 1, 1974』(74)を皮切りに「アイランド三部作」=『Fear』(74)、『Slow Dazzle』『Helen of Troy』(75)を1年強の間に立て続けに発表。その後も歌い継ぐ代表曲を多く含むアイコニックなこれら3作で、彼は一般的な意味での「ロック」話法を掘り下げると共に脱構築していった。
VU以来初めてバンドを編成し(顔ぶれは時期によって変化する)積極的にツアーに乗り出した彼は、パフォーマーとして大きく飛躍する。当時のパンク〜ニュー・ウェイヴ勢との連携および共振はEP『Animal Justice』(77)や自身のレーベル〈SPY〉から発表した『Sabotage/Live』(79)――NYパンクのお膝元クラブ:CBGBで収録――に烈しく記録されている。ケイルの音楽には常に暴力・怒り・狂気のダークな底流と美しさ・調和が隣り合わせだが、パラノイアなサイコドラマの表出という意味では最もエクストリームな時期だ。
この地獄の季節を経て、80年代のケイルは徐々に一種の「悪魔祓い」、そしてアイデンティティ再編成のプロセスに入っていった。『Honi Soit』(81)、『Music For A New Society』(82)、『Caribbean Sunset』(84)、『Artificial Intelligence』(85)――過去同様、時期は近いもののスキゾなくらい1作ごとの音楽的な追及点は異なり、共作者も多彩だ。『Honi〜』のパンチの効いた(90年代オルタナを予期するごとき)サウンド、『A.I.』のモダンAOR調も興味深いが、スタジオでの即興から編まれたアンビエントなトーン・ポエムと歌を合わせた『MFANS』は当時の彼のフラジャイルさを克明に伝えるひとつの「プライマル・スクリーム」。このエモーショナルな名作を、ケイルは2016年に『M: FANS』としてアップデートしている。
いわゆる「歌ものポップ」路線が不発に終わり、ケイルは一時的に表舞台から退く(その背景には娘の誕生や闘病といった事情も作用しただろう)。クラシック作曲家としてのルーツに回帰し委嘱作品やサントラ制作が増え始め、故郷ウェールズを代表する詩人ディラン・トマスの詩を主軸とする「フォークランド組曲」に取り組む。87年初演のこの大作は、イーノのプロデュースによりロシア/ウェールズ/ロンドンで録音された『Words for the Dying』(89)に結実。『Academy〜』以来の本格的なオーケストラとの共演となった。
80年代は過去に撒いた種子が花開き始めた時期でもあった。83年にVUバイオ本の嚆矢『Up-Tight』が初版され、再評価の声は年を追うごとに高まった。87年のウォーホルの死をきっかけにケイルはリードと約20年ぶりにコラボ。88年のニコの死を経て、両者にしか作れない秀逸かつテンションの高いソング・サイクル『Songs for Drella』(90)が生まれた(この状況を追い風に93年にVUは悲願の再結成を果たすものの、約1ヶ月の欧州ツアーを消化し離散)。その半年後にイーノとの唯一の連名アルバム『Wrong Way Up』発表。『〜Drella』とは対照的なブライトなポップがうららかに鳴る、洗練されたサウンドに両者の持ち味&歌声が溶け合う隠れた名盤だ。
翌年、レナード・コーエンのトリビュート作『I’m Your Fan』に〝Hallelujah〟を提供。原曲を編集したケイル・ヴァージョンは続く解釈(ジェフ・バックリィ他)の土台となり、この曲のスタンダード化に貢献した。この時点における「ベスト盤」とも言える名曲・名演が味わえる92年のソロ・リサイタル盤『Fragments of a Rainy Season』でも〝Hallelujah〟は披露されている(同作は曲順をオリジナル演奏順に戻し、ボーナス音源を加えたDX仕様で2016年に再発)。
デヴィッド・バーン、モー・タッカーらが参加した『Walking on Locusts』(96)、自伝『What Welsh for Zen』出版で90年代を締めくくったケイルはコラボ陣の顔ぶれを一新。メジャー復帰作『HoboSapiens』(03)での打ち込みとサンプリングの大胆な導入は冒険者の健在ぶりを印象づけ、久々にフル・バンドを率いてツアーを敢行。刷新された創造性とエネルギーを封じ込めた『blackAcetate』(05)は彼の最も「ロック」な1枚だ。
2011年に最大手インディのひとつ〈DOMINO〉に移籍、鬼才デンジャー・マウスが参加した『Shifty Adventures in Nookie Wood』(12)でヒップホップ経由のサイケ・ポップを展開。その前後も『Paris〜』全曲再演、『MFANS』リワーク他多忙だったが、コロナ禍は良い意味でのリセットになったようだ。気鋭の若手――アニマル・コレクティヴ、ローレル・へイロー、アクトレス他――が協力した幽玄で重厚な『MERCY』(23)は、柔軟な感性と深い年輪が響き合うケイルの等身大の「今」を伝える新たなマスターピースとなった。
そして早くも、この時期に数多く書かれた楽曲から選りすぐった新作『POPtical Illusion』が登場する――こちらは一転、ケイルと腹心ダスティン・ボイヤー&ニタ・スコットの3人で作ったインティメイトな内容だ。60年以上にわたる足跡を駆け足でたどってみたが、基盤は頑強ながら新たな挑戦に躊躇なく踏み出す彼の「同じことは二度とやらない」不動な姿勢は音の世界を広げ続けている。
(坂本麻里子)