アルバム『The Skies, They Shift Like Chords』はロジャー・イーノによるピアノ・ソロや複数の楽器による演奏楽曲、エレクトロニックの要素を含む作品などを収録。また「Strangely, I Dreamt」は娘のセシリー・イーノとの共作で彼女のボーカルも担当。
https://youtu.be/cTVdIuL3-Io?si=e3na0T_9E1fSoqiL
「私は音楽をビジュアルの一部として捉えている。例えば、和音を地球だとすると、メロディーは地面の上にそびえ立つ木々で、ギターが作りだす浮遊感は空。これら三つの要素はそれぞれ異なるが相互に関係している」
ロジャー・イーノ
「ほとんどの楽曲が今起きていることをスナップショットしたようなもの」と語る、ロジャー・イーノ。
「世界を語るとき、いつもある瞬間を切り取っているだろ?全てのものが流動的で変わりやすい、だから何も直すことができないんだ」。ドイツ・グラモフォンからリリースされるセカンド・ソロ・アルバム 『The Skies, They Shift Like Chords』では、イーノは音楽の水彩画で自発的に世界を描き、音と静寂を行き交う道筋を刺激的になぞっている。
各方面で絶賛されたDGからのソロ・デビュー作、『The Turning Year』(2022)や、その後2000万回以上もストリーミングされたデジタル・リリース 「Above and Below」に続いて、この最新作は2023年10月13日に全世界で配信、フィジカル・リリースも米国以外で同日に予定されている。アルバムから4曲が先行配信され、セシリー・イーノのボーカルをフィーチャーした「Strangely, I Dreamt」 (8月25日)、「Tidescape」(9月8日)、「Chordal Drift」 (9月22日)と「Arms Open Wide」 (10月13日)の予定。11月17日には米国でヴァイナル・リリースを迎え、同日に「Strangely, I Dreamt」のフル・インストゥルメンタルとソロ・ピアノ・バージョンの2曲入りシングルが世界リリースされる。
『The Skies, They Shift Like Chords』は、ロジャー・イーノのドイツ・グラモフォンからのソロ・デビュー作『The Turning Year』でも繰り広げられたソロ・ピアノと弦楽器による音世界をさらに発展させ、エレキギター、クラリネット、ベースクラリネット、ヴィブラフォン、フルートオルガンや繊細な電子音が加わった。ほとんどの楽曲が即興演奏(ミュージカル・スナップショット)から発展したもの。
「大抵の場合、これらの別々の音を繋ぎ合わせる時は細かい作業はいらないんだ」とコンポーザーでマルチ・インストゥルメンタリストは説明する。「アルバムの最初の曲、“Chordal Drift”は、厚みのある弦楽和音の連続でできていて、メロディーの暗示もない。でも注意深く聴いてみると、全ての音が繋がっていることに気づくだろう」
アルバムで唯一のボーカル曲、「Strangely, I dreamt」、はロジャー・イーノの長女セシリー・イーノとの共作で、ボーカリストでヴィジュアル・アーティストでもある彼女がボーカルも担当している。セシリーが、元々は父親の友人による詩から“The skies, they shift like chords”という歌詞に発展させ、無常の性質について考えさせてくれる。
「Tidescape」の背景にも同じような考え方が見て取れる。「1976年にMary Markwellによる詩からとったタイトルなんだ」とロジャー・イーノは教えてくれる。「最も好きな詩のコレクションの一つでもあるSuffolk Poetry Society anthologyで見つけたんだ。この名前が本当に気に入っていて、潮がその環境によって違う景色を作り出すことを暗示している」
「Tidescape」がアルバムの形を作り始めたとき、イーノの友人でもあるジョン・ゴダードを招き入れ、フルート/オルガンの音色に高音のギターをなじませた。「ジョンが加わることによって、クラリネットとベースクラリネットという異なる二つのエレメントを聴くことができてそれはまるでオーラル・ベルベットのようだった。結果生まれた開放感が、ドイツ・グラモフォンのプロデューサー、クリスチャン・バズーラが歪んだ逆行ギター音を追加するという勇気ある決断をさせたのかもしれない。この楽曲が独自の方向で発展してく様はとても興味深く、川が海への道のりを自分で見つけ出しテクようなプロセスだった」
その反面、「Arms Open Wide」はロジャー・イーノによるシンプルなソロ・ピアノ演奏で、優しくくつろげる感覚の中に強さも感じられる。「強くて全てが美しいものが常に必要ですよね、じゃないとエレベーター音楽になってしまう危険性が出てきてしまう...」
アルバム内には他にも「Japanese Rain Garden」,「That Which Is Hidden」,「Mind the Gap」, 「Illusion」,「Above And Below (Crepuscular)」や「Through The Blue (Crepuscular)」が収録されている。”私はいつも作曲した後にタイトルをつけるんだ。詩のようなタイトルをマッチさせることによって、音楽とともに感覚や感情を揺さぶっていく」
作品を通してイーノと出身でもある東アングリアとの繋がりがエモーショナルに散りばめられている。楽曲はそのランドスケープからインスパイアされていて、小さな町や中世の教会、麦畑、川やどこまでも広い空、そして1800年代に活躍していたローカルの詩人やアート・ムーブメントなど。アルバムのメランコリックなトーンは、集中的農業や気候変動によってこの地域の生物多様性に対する脅威と関係している。
「全体的なムードは儚かさ」とイーノは新作について語る。音楽が聴く人それぞれの感情や想像を膨らませられるように静止の重要性を説いている。「作品の中にはギャップや無声音が多く見られるが、アルバム内でかなり重要な役割を担っている。一つの曲が終わってもあなたはまたその音楽の中にいるんだ、すぐに次の曲が始まらない限りね。作品制作の過程において作曲は一つの側面にすぎず、こういった建設的な細部がとても重要なんだ」
https://youtu.be/cTVdIuL3-Io?si=e3na0T_9E1fSoqiL
「私は音楽をビジュアルの一部として捉えている。例えば、和音を地球だとすると、メロディーは地面の上にそびえ立つ木々で、ギターが作りだす浮遊感は空。これら三つの要素はそれぞれ異なるが相互に関係している」
ロジャー・イーノ
「ほとんどの楽曲が今起きていることをスナップショットしたようなもの」と語る、ロジャー・イーノ。
「世界を語るとき、いつもある瞬間を切り取っているだろ?全てのものが流動的で変わりやすい、だから何も直すことができないんだ」。ドイツ・グラモフォンからリリースされるセカンド・ソロ・アルバム 『The Skies, They Shift Like Chords』では、イーノは音楽の水彩画で自発的に世界を描き、音と静寂を行き交う道筋を刺激的になぞっている。
各方面で絶賛されたDGからのソロ・デビュー作、『The Turning Year』(2022)や、その後2000万回以上もストリーミングされたデジタル・リリース 「Above and Below」に続いて、この最新作は2023年10月13日に全世界で配信、フィジカル・リリースも米国以外で同日に予定されている。アルバムから4曲が先行配信され、セシリー・イーノのボーカルをフィーチャーした「Strangely, I Dreamt」 (8月25日)、「Tidescape」(9月8日)、「Chordal Drift」 (9月22日)と「Arms Open Wide」 (10月13日)の予定。11月17日には米国でヴァイナル・リリースを迎え、同日に「Strangely, I Dreamt」のフル・インストゥルメンタルとソロ・ピアノ・バージョンの2曲入りシングルが世界リリースされる。
『The Skies, They Shift Like Chords』は、ロジャー・イーノのドイツ・グラモフォンからのソロ・デビュー作『The Turning Year』でも繰り広げられたソロ・ピアノと弦楽器による音世界をさらに発展させ、エレキギター、クラリネット、ベースクラリネット、ヴィブラフォン、フルートオルガンや繊細な電子音が加わった。ほとんどの楽曲が即興演奏(ミュージカル・スナップショット)から発展したもの。
「大抵の場合、これらの別々の音を繋ぎ合わせる時は細かい作業はいらないんだ」とコンポーザーでマルチ・インストゥルメンタリストは説明する。「アルバムの最初の曲、“Chordal Drift”は、厚みのある弦楽和音の連続でできていて、メロディーの暗示もない。でも注意深く聴いてみると、全ての音が繋がっていることに気づくだろう」
アルバムで唯一のボーカル曲、「Strangely, I dreamt」、はロジャー・イーノの長女セシリー・イーノとの共作で、ボーカリストでヴィジュアル・アーティストでもある彼女がボーカルも担当している。セシリーが、元々は父親の友人による詩から“The skies, they shift like chords”という歌詞に発展させ、無常の性質について考えさせてくれる。
「Tidescape」の背景にも同じような考え方が見て取れる。「1976年にMary Markwellによる詩からとったタイトルなんだ」とロジャー・イーノは教えてくれる。「最も好きな詩のコレクションの一つでもあるSuffolk Poetry Society anthologyで見つけたんだ。この名前が本当に気に入っていて、潮がその環境によって違う景色を作り出すことを暗示している」
「Tidescape」がアルバムの形を作り始めたとき、イーノの友人でもあるジョン・ゴダードを招き入れ、フルート/オルガンの音色に高音のギターをなじませた。「ジョンが加わることによって、クラリネットとベースクラリネットという異なる二つのエレメントを聴くことができてそれはまるでオーラル・ベルベットのようだった。結果生まれた開放感が、ドイツ・グラモフォンのプロデューサー、クリスチャン・バズーラが歪んだ逆行ギター音を追加するという勇気ある決断をさせたのかもしれない。この楽曲が独自の方向で発展してく様はとても興味深く、川が海への道のりを自分で見つけ出しテクようなプロセスだった」
その反面、「Arms Open Wide」はロジャー・イーノによるシンプルなソロ・ピアノ演奏で、優しくくつろげる感覚の中に強さも感じられる。「強くて全てが美しいものが常に必要ですよね、じゃないとエレベーター音楽になってしまう危険性が出てきてしまう...」
アルバム内には他にも「Japanese Rain Garden」,「That Which Is Hidden」,「Mind the Gap」, 「Illusion」,「Above And Below (Crepuscular)」や「Through The Blue (Crepuscular)」が収録されている。”私はいつも作曲した後にタイトルをつけるんだ。詩のようなタイトルをマッチさせることによって、音楽とともに感覚や感情を揺さぶっていく」
作品を通してイーノと出身でもある東アングリアとの繋がりがエモーショナルに散りばめられている。楽曲はそのランドスケープからインスパイアされていて、小さな町や中世の教会、麦畑、川やどこまでも広い空、そして1800年代に活躍していたローカルの詩人やアート・ムーブメントなど。アルバムのメランコリックなトーンは、集中的農業や気候変動によってこの地域の生物多様性に対する脅威と関係している。
「全体的なムードは儚かさ」とイーノは新作について語る。音楽が聴く人それぞれの感情や想像を膨らませられるように静止の重要性を説いている。「作品の中にはギャップや無声音が多く見られるが、アルバム内でかなり重要な役割を担っている。一つの曲が終わってもあなたはまたその音楽の中にいるんだ、すぐに次の曲が始まらない限りね。作品制作の過程において作曲は一つの側面にすぎず、こういった建設的な細部がとても重要なんだ」