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混沌としたアンサンブルによる永遠に続くようなジャムとエキセントリックな超絶プレイ! サンダーキャットSUMMER SONIC 2023での最新ライブレポートが公開!

2023.08.22

混沌としたアンサンブルによる永遠に続くようなジャムとエキセントリックな超絶プレイ! サンダーキャットSUMMER SONIC 2023での最新ライブレポートが公開!

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混沌としたアンサンブルによる永遠に続くようなジャムとエキセントリックな超絶プレイ! サンダーキャットSUMMER SONIC 2023での最新ライブレポートが公開!

Thundercat 2023/8/19 @Summer Sonic

これまで幾度も来日を果たしリスナーを興奮させてきたサンダーキャットだけれど、Summer Sonic初日ソニックステージのトリを務めるというのは、また新たな感慨を覚える。キーボーディストのデニス・ハムとドラマーのジャスティン・ブラウンを従え登場した彼は、「Great Scott」からライブをスタートさせた。「ショーを始めよう / 宇宙のどこかで」というリリックを「東京」に変え歌うと、たちまち歓声が巻き起こる。「Innerstellar Love」では、混沌としたアンサンブルによる永遠に続くようなジャムを後半に配置し、「How Sway」のエキセントリックな超絶プレイにフロアの温度がさらに上昇する。

「日本には20年前、18歳のころに来たけれど、それ以来新しいものに出会い続けている」と感謝を伝え、ゆったりとしたイントロから「日本で会いたい/ゴールデン街に飲みに行こう」と歌われるムーディーな「Overseas」や「Dragonball Durag」ではヴァースでのコール&レスポンスもばっちりハマっている。こうしたステージと客席との一体感は、彼がこれまでのライブで築き上げてきたリスナーとの信頼関係の賜物であろう。リラックスした曲のイメージに対し、アウトロでは一変、ベーシストとしての超絶テクを見せつけるスリリングなセッションとのコントラストが鮮やかだ。愛猫に捧げる「A Fan's Mail」では、ブリッジでの「ミャウミャウ」のコーラスが会場中に響き渡る。

この夜、彼は中盤で時間をとり、盟友テイラー・グレイヴスを呼び込み、亡くなった坂本龍一との交流について述懐した。親友の〈Brainfeeder〉所属アーティスト、オースティン・ペラルタが2012年に22歳で急逝したショックから立ち直れなかった頃、『Apocalypse』の制作にとりかかっていた彼は、坂本がバルセロナ・オリンピックのために書いた「El Mar Mediterrani」を聴きインスパイアされ、アルバムの最後に使用させてもらいたいと依頼。坂本は快く使用を許可してくれたという。このセットで坂本を追悼するセットをプレイしたいと彼は、「El Mar Mediterrani」を使用した「A Message For Austin」を披露した。原曲の幽玄な旋律をモチーフにした亡き友人へ捧げたレクイエムではあるのものの、「あなたの遺産は今も生き続けている」というリリックこそ彼が坂本に届けたい思いだったに違いない。

トリビュートアルバムに提供した坂本龍一「THOUSAND KNIVES」のカヴァーでも、「私は1000回生きて / 1000回死ぬ」というリリックに象徴される円環と、坂本への限りないリスペクトをサンダーキャットはここで表現したかったのだろう。数多くのコラボレーションを続けているのも、こうした円環を感じていたからではなかと思うと、彼の表現の真髄を垣間見たような気がする。後半に圧巻のジャムを加えた演奏を終えると、サンダーキャットは「ありがとう、坂本龍一さん」とあらためて敬意を表し、フロアからも万雷の拍手が送られた。

そして、昨晩のSonic Maniaで共演を果たしたフライング・ロータスとの日本での数々の思い出を回顧するように「Black Gold」。東京への尽きせぬ愛を歌った「Tokyo」の途中でわざわざ演奏を止め、リオン・ウェアとともに初めて日本に降り立った18歳の頃のエピソードだと説明した上で、いかにして彼が『ドラゴンボールZ』のファンになったかを切々と歌うのだった。客席からも「ありがとう!」と声が上がり、さらなる一体感に包まれる。

ラストを飾るのは、「Them Changes」。アイズレー・ブラザーズのメロウ・クラシック「Footsteps in the Dark」を下敷きに、実はリリックには相当な喪失や精神の混乱が描かれているのに、彼のスペシャルな演奏と歌の力により、限りなくポジティブで楽観的なムードを与えられる。こうした変容こそ、サンダーキャットの持つ音楽の重層性が現れていると思う。「サンキューガイズ!」と一言告げステージを去るバンドに、惜しみない拍手が送られる。2023年のサマーアンセム「No More Lies」はこの日プレイしなかったけれど(前日のSonic Maniaと翌日の大阪公演では演奏)、それでも彼が夏の終わりを締めくくるにふさわしい、日本のファンのためにスペシャルなセットを用意してくれたことに限りない感謝を捧げたい。

Text by 駒井憲嗣

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