00年代の〈Warp〉の象徴、クラークが2006年の大名盤『Body Riddle』のリマスター再発を発表!さらに未発表+レア音源集『05-10』を単体のアナログ盤として、『Body Riddle』と『05-10』を合わせた豪華二枚組CD『Body Double』のリリースが決定!9月30日 (金) 世界同時リリース!『Body Double』は、日本語帯・解説書付きの国内流通仕様で発売される。
アルカやハドソン・モホーク、ラスティなどのプロデューサーがその影響を公言している傑作『Body Riddle』。The Quietusは「熱く歪んだメロディー、揺らめくテクスチャー、そして力強いなドラミング (演奏はクラーク自身) が幾重にも重なり合い、暴力と切なさが美しくも不安定に混ざり合う、クラークの2006年のLP『Body Riddle』は電子音楽界で知られざる傑作の一つだと言っても大げさではないだろう。そのプロダクションは完璧で、ほとんど人間離れしており、リスナーを中域で包み込んでから激しく叩きつけ、オーガニックな楽器と嘘のように変化するサウンドデザインの間をシームレスに横断する」と高く評価している。
本作は、ベルリンに向かう直前、プロデューサーがイギリス中部の都市バーミンガムに住んでいた時期に録音されたもので、クラークはこのアルバムの出発点を次のように振り返る。
あの時期は、クラウトロックに夢中になって、1日6時間、カンのレコードに合わせて枕でドラムを叩いて過ごしたことを覚えてる。 このレコードのことを考えるとき、そのことが頭に浮かぶんだ。
同郷のバンドで〈Warp〉のレーベルメイトでもあるブロードキャストと親交を深めたことも重要な要素だった。
彼らは僕の家から10分くらいのところに住んでいて、僕はジェイムス・カーギルのドラムキットとマイクを借りたんだ。このアルバムのドラムは全て彼の古いドラムキットでできてる。「Roulette Thrift Run」の最後には、彼がギターで、僕がドラムを叩いているようなジャムがあって、僕は録音した音源のピッチを上げてみたんだよ。ブロードキャストとは当時近しい友人って感じじゃなかったけど、彼らの家に行くと、普段の社会生活から離れることができて、僕はそれをとても気に入ってた。トリッシュもジェームスも知識が豊富で、彼らのシーンには全く入っていけなかったから、一人で行ってレコードを聴いたり、お茶を飲んだりしていた。
ブロードキャストは、これまでクラークのウェブサイトでのみダウンロード可能だった「Herr Barr」のインプロヴァイズド・ヴァージョンにもフィーチャーされている。このトラックは『Body Double』に関連する他のレア音源や未発表音源と共に『05-10』に収録されている。
放っておいたらインターネット上で埋もれて失われてしまってたであろうものを集めて、それらを一つの箱にまとめておきたいと考えたんだ。ここに収録したトラックは本当に好きだから重要なことだった。「Boiler The Wick」というモジュラーのジャムがあるんだけど、これは機材を全部セットアップして、1日に5曲くらいモジュラーのトラックを録音していてできた曲なんだ。今のスタジオとはまったく違うから、当時のことをすごく懐かしく思うよ。今はみんなモジュラーを使って曲を作るからちょっとうんざりしてるくらいだけどね。ただ、これは10年前のことで、『Body Riddle』と直接的にリンクしてはないんだけど、ある種の関連作品のような気もするんだ。例えば「Boiler The Wick」は「Re-Scar Kiln」と非常に似たエネルギーを持つトラックで、同じ世界のものであるかのように感じられる。
『Throttle Furniture EP』は2005年だった。収録曲のいくつかは『Body Riddle』に収録することもできたけど、よりクラブっぽい方向に進んでいったので、区別してライブでだけで使うほうがいいと思ったんだ。『Body Riddle』のライブをしてた頃は、それらの曲をいろんな形で何度もプレイしたよ。「Urgent Jel Hack」とかは『Body Riddle』が完成する前に書いたもので、当時はディリンジャや〈Valve〉の作品にハマってたんだ。
ビートのない、内省的な楽曲は〈Deutsche Grammophon〉から出している最近のアルバムや、〈Warp〉のために作った他のアンビエント作品にも繋がるもので、自分の作品群の中に散りばめられている。「Sparrow Arc Tall」は「Springtime Epigram」や「Dew On The Mouth」の親戚のようなもので、4トラックで録音したものをセッションでレンダリングしたような雰囲気を持っている。どれもこの作品群に繋がっているように感じられるし、何年経ってもこうやって10曲以上をまとめて聴かせることができるのは嬉しいよ。
16年の時を経た今、クラークは『Body Riddle』を次のように振り返る。
すごくいい気分だよ。またこうやって聴くことができるのは興味深い。ある人々にとっては重要な意味を持つアルバムだったようだが、僕にとっては単なる自分のアルバムのひとつに過ぎないんだ。
この作品は、その後の自分の音楽がどうなっていくかの青写真みたいな存在でもある。とてもダイナミックで、あらゆる場所に散らばっていて、混乱しているけど意図的で、アクシデントが光を放ってエキサイティングに感じられる。それは僕が常に音楽で捉えたいと思う精神なんだよ。
音楽を聴いていると、その音楽が様々な要素の集合体ではなく感じられ、すべてが整然と配置されていてうまくいくはずなのに、何かがうまくいかないと思うことがあるよね?僕は常に、様々な要素の集合体以上になっていて、本当ならうまくいきそうもないのに素晴らしく機能する、そんな魔法のような音楽を作りたいと思っている。このアルバムがそれにあたるかどうかはわからないけど、間違いなくそうしようとした結果、多様なスタイルが隣り合わせになりながらも、アルバム全体として首尾一貫した作品にできたんだ。
僕はいつもストリーミング用のトラックではなく、常にアルバムを書くようにしてきた。アルバムという形式が生きていようと、地球上で100人しか愛していないものであろうと、僕は常にアルバム・アーティストであり続けるつもりだよ。アルバムという単位は完璧で、短編小説のようなもので、一度で聴き通すことができるし、長すぎることもない。アルバムなら散歩がてらヘッドフォンで聴けるし、『Body Riddle』はまさにその目的に完璧なレコードだ。クラブ・レコードになろうとはしていない、純粋なリスニング・ミュージックなんだよ。
アルカやハドソン・モホーク、ラスティなどのプロデューサーがその影響を公言している傑作『Body Riddle』。The Quietusは「熱く歪んだメロディー、揺らめくテクスチャー、そして力強いなドラミング (演奏はクラーク自身) が幾重にも重なり合い、暴力と切なさが美しくも不安定に混ざり合う、クラークの2006年のLP『Body Riddle』は電子音楽界で知られざる傑作の一つだと言っても大げさではないだろう。そのプロダクションは完璧で、ほとんど人間離れしており、リスナーを中域で包み込んでから激しく叩きつけ、オーガニックな楽器と嘘のように変化するサウンドデザインの間をシームレスに横断する」と高く評価している。
本作は、ベルリンに向かう直前、プロデューサーがイギリス中部の都市バーミンガムに住んでいた時期に録音されたもので、クラークはこのアルバムの出発点を次のように振り返る。
あの時期は、クラウトロックに夢中になって、1日6時間、カンのレコードに合わせて枕でドラムを叩いて過ごしたことを覚えてる。 このレコードのことを考えるとき、そのことが頭に浮かぶんだ。
同郷のバンドで〈Warp〉のレーベルメイトでもあるブロードキャストと親交を深めたことも重要な要素だった。
彼らは僕の家から10分くらいのところに住んでいて、僕はジェイムス・カーギルのドラムキットとマイクを借りたんだ。このアルバムのドラムは全て彼の古いドラムキットでできてる。「Roulette Thrift Run」の最後には、彼がギターで、僕がドラムを叩いているようなジャムがあって、僕は録音した音源のピッチを上げてみたんだよ。ブロードキャストとは当時近しい友人って感じじゃなかったけど、彼らの家に行くと、普段の社会生活から離れることができて、僕はそれをとても気に入ってた。トリッシュもジェームスも知識が豊富で、彼らのシーンには全く入っていけなかったから、一人で行ってレコードを聴いたり、お茶を飲んだりしていた。
ブロードキャストは、これまでクラークのウェブサイトでのみダウンロード可能だった「Herr Barr」のインプロヴァイズド・ヴァージョンにもフィーチャーされている。このトラックは『Body Double』に関連する他のレア音源や未発表音源と共に『05-10』に収録されている。
放っておいたらインターネット上で埋もれて失われてしまってたであろうものを集めて、それらを一つの箱にまとめておきたいと考えたんだ。ここに収録したトラックは本当に好きだから重要なことだった。「Boiler The Wick」というモジュラーのジャムがあるんだけど、これは機材を全部セットアップして、1日に5曲くらいモジュラーのトラックを録音していてできた曲なんだ。今のスタジオとはまったく違うから、当時のことをすごく懐かしく思うよ。今はみんなモジュラーを使って曲を作るからちょっとうんざりしてるくらいだけどね。ただ、これは10年前のことで、『Body Riddle』と直接的にリンクしてはないんだけど、ある種の関連作品のような気もするんだ。例えば「Boiler The Wick」は「Re-Scar Kiln」と非常に似たエネルギーを持つトラックで、同じ世界のものであるかのように感じられる。
『Throttle Furniture EP』は2005年だった。収録曲のいくつかは『Body Riddle』に収録することもできたけど、よりクラブっぽい方向に進んでいったので、区別してライブでだけで使うほうがいいと思ったんだ。『Body Riddle』のライブをしてた頃は、それらの曲をいろんな形で何度もプレイしたよ。「Urgent Jel Hack」とかは『Body Riddle』が完成する前に書いたもので、当時はディリンジャや〈Valve〉の作品にハマってたんだ。
ビートのない、内省的な楽曲は〈Deutsche Grammophon〉から出している最近のアルバムや、〈Warp〉のために作った他のアンビエント作品にも繋がるもので、自分の作品群の中に散りばめられている。「Sparrow Arc Tall」は「Springtime Epigram」や「Dew On The Mouth」の親戚のようなもので、4トラックで録音したものをセッションでレンダリングしたような雰囲気を持っている。どれもこの作品群に繋がっているように感じられるし、何年経ってもこうやって10曲以上をまとめて聴かせることができるのは嬉しいよ。
16年の時を経た今、クラークは『Body Riddle』を次のように振り返る。
すごくいい気分だよ。またこうやって聴くことができるのは興味深い。ある人々にとっては重要な意味を持つアルバムだったようだが、僕にとっては単なる自分のアルバムのひとつに過ぎないんだ。
この作品は、その後の自分の音楽がどうなっていくかの青写真みたいな存在でもある。とてもダイナミックで、あらゆる場所に散らばっていて、混乱しているけど意図的で、アクシデントが光を放ってエキサイティングに感じられる。それは僕が常に音楽で捉えたいと思う精神なんだよ。
音楽を聴いていると、その音楽が様々な要素の集合体ではなく感じられ、すべてが整然と配置されていてうまくいくはずなのに、何かがうまくいかないと思うことがあるよね?僕は常に、様々な要素の集合体以上になっていて、本当ならうまくいきそうもないのに素晴らしく機能する、そんな魔法のような音楽を作りたいと思っている。このアルバムがそれにあたるかどうかはわからないけど、間違いなくそうしようとした結果、多様なスタイルが隣り合わせになりながらも、アルバム全体として首尾一貫した作品にできたんだ。
僕はいつもストリーミング用のトラックではなく、常にアルバムを書くようにしてきた。アルバムという形式が生きていようと、地球上で100人しか愛していないものであろうと、僕は常にアルバム・アーティストであり続けるつもりだよ。アルバムという単位は完璧で、短編小説のようなもので、一度で聴き通すことができるし、長すぎることもない。アルバムなら散歩がてらヘッドフォンで聴けるし、『Body Riddle』はまさにその目的に完璧なレコードだ。クラブ・レコードになろうとはしていない、純粋なリスニング・ミュージックなんだよ。