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幾何学模様 / 世界中のオーディエンスを熱狂させ 日本テレビ「スッキリ」でも特集が組まれた話題のバンド、幾何学模様 フジロックでの最新ライブレポートが到着!

2022.08.02

幾何学模様 / 世界中のオーディエンスを熱狂させ 日本テレビ「スッキリ」でも特集が組まれた話題のバンド、幾何学模様 フジロックでの最新ライブレポートが到着!

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幾何学模様 / 世界中のオーディエンスを熱狂させ 日本テレビ「スッキリ」でも特集が組まれた話題のバンド、幾何学模様 フジロックでの最新ライブレポートが到着!

文字通り世界中のオーディエンスを熱狂させてきたバンド「幾何学模様」
2022年をもって無期限の活動休止を発表し、ラストアルバム『クモヨ島』が好評を博す中、欧州/北米ファイナルツアーはほぼSOLD OUTという彼らの10年を締め括るファイナルショーが12月3日(土)東京・パーシモンホールで開催

幾何学模様(KIKAGAKU MOYO)が創出するサイケデリアが、晴天の苗場の森に溶け込んでいくようだった。少しずつ、でも気がつけばディープにうねっているその空間にいることは、まるで別世界に連れて行かれたかのような体験でもあった。

昼下がりのFIELD OF HEAVENのステージに5人の男たちが現れると大きな拍手が起こり、そのまま1曲目の「Gatherings」の演奏が始まる。いきなりの爆音! バンドのプレイはハードで、とくにRyu Kurosawaが弾くキーボードの音色が狂おしい。唄うのは舞台の左端、ギターを弾きながらマイクに向かうTomo Katsurada。サウンドのヘヴィネスに対し、彼はソフトで優しく通る声の持ち主だ。

「ありがとうございます」

オーディエンスのリアクションに対してTomoがひとこと返すと、続いて、長身のDaoud Popalによるワウワウギターが響く「Dancing Blue」が始まる。このバンド流のグルーヴが感じられるこの曲は、最新アルバムの『クモヨ島』の収録曲だ。Daoudのギターに絡むように、Ryuのエレクトリック・シタールが奔放に鳴らされていく。妖しくも甘美なその音色によって、中盤からはまるで今日の晴天に向かって浮遊するかのような感覚が出現。これには同じフレーズの反復がもたらす陶酔感も大きいはずで、そこはクラウトロックをルーツのひとつに持つ幾何学模様ゆえの表現であると感じた。
バンドは次の「Kogarashi」に突入。リーダーであるドラムスのGo Kurosawaが振るシェイカーから入るこの曲は、どこかブリティッシュ・フォーク的な……たとえば、いにしえのインクレディブル・ストリング・バンドを思わせるような透明感をはらんでいる。そして曲の構造はやはりメロディの反復を軸としており、その楚々としたたたずまいは美しさを感じさせるほど。これにはGoのドラミングとKotsu Guyのベースラインが形成するリズムにポイントがありそうだ。ただでさえ非日常的な野外ロックフェスの空間だが、幾何学模様はそこからさらに現実性を引きはがしていった。快感だ。

Tomoのギターがやや溜めたイントロを放った「Smoke and Mirrors」では、Daoudがさらに激しいギタープレイを披露する。彼は曲のアウトロでスローテンポになってから一旦止まったところで目をつぶり、やがて笑顔を浮かべ、今度はそこから全員で壮烈なジャムに突っ走った。そして曲は再び静かになり、終わっていった。

この曲を終えると、Tomoが話しはじめる。

「今年、無期限の活動休止を決めて、春はヨーロッパとアメリカをツアーしてきて。今回、3年ぶりの日本でのライヴなんですけど……」

湧き上がる大きな拍手、それに笑顔で手を振って応えるメンバー。世界中のフェスにいくつも出演してきた彼らだが、その歩みの最後のところでこのFUJI ROCKに出演するのは、それなりの感慨があるのではないだろうか。そしてTomoはこのバンドが12月に最後のライブを東京で行う旨を発表した。

「Street of Culcutta」ではタフなサウンドの中で、またもシタールの音色が飛翔する。さらに演奏されたのは、アルバム『MASANA TEMPLES/マサナ寺院群』2018年)の冒頭を飾った2曲だった。Tomoの鳴り物とRyuのシタールが異空間を作り上げた「Entrance」、そしてバンドが苛烈なセッションを展開した「Dripping Sun」。

まるで時空がゆがんでいるような、現実がうねっているような感覚だった。その歪み、ねじれがじつに心地よく……怪しく、楽しげに、自由に飛び交うその音色のひとつずつが、晴れた空の下で苗場の山の精霊たちと会話をしているようにも思えた。日本でのサイケデリック・ロックと言えば、近代ではなんといってもゆらゆら帝国が知られているし、現在ではOGRE YOU ASSHOLEや、それにTempalayもその範疇に入れていいだろう。さらにAcid Mother TempleやBO NINGENなど国境を超えた支持を受けているバンドも忘れてはならない。しかし幾何学模様はそうしたどのバンドたちとも異なる歩みを続けてきたあと、今年限りで活動を止めてしまうのだ。

「ありがとうございます……次で最後の曲です」

ライブの最後を彩ったのは最新アルバムの1曲目、「Monaca」だった。どこかユーモラスでポップなこの歌のフレーズは彼らのサイケデリックな感覚が新しい場所に着地した印象があって、シタールの童謡みたいなフレーズも楽しい。Tomoが唄う〈モ、ナーカ、ナカナカ〉という言葉のくり返しが妙にツボで、これにはアルバムで聴きなじんでいた僕の妻子もノリノリだった。そして後半は、またも激しいジャムに突入。渾然一体となった5人の音は、そのまま苗場の森に吸い込まれていくかのようであった。

すべての演奏を終えた5人は笑顔を見せて会釈をする。Ryuは両手の指でハートマーク、それにピースサインを作り、Daoudはオーディエンスを撮影していた。全員が笑いながら、FUJI ROCKでの幾何学模様はパフォーマンスを終えた。そしてその様子を取り囲んでいた森は、静かに揺らぎながら5人が去っていくのを見守っていた。真夏の苗場での、本当に夢のようなひとときだった。

なお、文中で触れた幾何学模様の最後のライブは、12月3日に東京・めぐろパーシモンホールで行われるコンサートになるとのこと。そこでぜひ彼らのサイケデリアの到達点を見届けたいと思う。

青木優



【公演概要】
公演名: KIKAGAKU MOYO FINAL SHOW
出 演: 幾何学模様 / Kikagaku Moyo
日 程: 2022年12月3日 (土) 会 場: めぐろパーシモンホール 大ホール (https://www.persimmon.or.jp/about/hall_l.html)
時 間: 開場 16:30 / 開演 17:30
料 金: 前売 ¥6,000 (全席指定)

チケットスケジュール
・最速先行予約 (抽選): 7月29日(金) 15:00~8月7日(日) 23:59
・一般発売: 8月27日(土)
チケットリンク (先行/一般共通): https://eplus.jp/kikagakumoyo-finalshow/

公演詳細: https://kikagakumoyo.com/finalshow/
公演に関するお問い合わせ: WWW Presents: www.info@www-shibuya.jp


幾何学模様 / Kikagaku Moyo
2012年に東京で結成されたシタール奏者を含む、5人組のサイケデリックロックバンド。古典インド音楽、クラウトロック、伝統的なフォーク、70年代ロックやファンク、アシッドロックをブレンドした独自のサイケデリックなサウンドと即興性あふれるライブで世界中の音楽ファンを虜にインターナショナルな活動し続けてきた。

一風変わった名前を持つ彼らは祖国の日本では知る人ぞ知る存在だが、世界3大ロックフェスと呼ばれるデンマークのRoskilde Festival、アメリカのBonaroo Festival、中国の Concreet & Grass Festival、イギリスの Green Man Festival、アメリカサイケロックの祭典『Desert Daze』に『Levitation』にも出演し、今年6月にはイギリスの世界最大級ロックフェスティバルGlastonbury Festivalにも出演を果たした。

幾何学模様は今年1月、2022年の活動を最後に無期限活動休止を発表。現在は北米とヨーロッパを中心にバンド最期のワールドツアーを50ヶ所で展開し、ほとんどのショーがソールドアウトを記録している。そのワールドツアーの最後を締めくくるライブが12月3日に東京で行われることが決定した。

もともとは 2012年の夏、高田馬場の路上でひっそりとスタートした幾何学模様。楽器演奏もビギナー同然だった彼らだが、2013年のファーストアルバム『Kikagaku Moyo』のリリース以降、2016年からは海外ツアーを中心に年間100箇所ほどの海外公演を毎年敢行していく。
度重なる海外ツアーのため、メンバーの半分は拠点をオランダのアムステルダムへと移し、レコーディングやツアーの直前に集合するという自由かつインターナショナルな活動スタイルにシフトしていった。

2017年にはIssey Miyakeのパリコレクションで音楽を担当し、2019年にはGucciとビジュアルコラボレーションも行うなど、その活動はジャンルを超えてクロスオーバーしていく。

2012-2022、10年間における活動の中で、今年で11回目の欧州ツアーを成功させ、今年の秋には12回目とな る北米最後で最大級のツアーが予定されている。

Artist Photo by JAMIE WDZIEKONSKI
https://www.instagram.com/sub_lation/


Kendra Ahimsa
インドネシア拠点のアーティストKendra Ahimsaのユニット「Ardneks Paraiso Grafica」は、特に音楽に関連したイラストレーションを制作。数多くのサイケロック・バンドのデザインし、クロスカルチャーの遊び心に満ちた組み合わせで表現している。彩度の高い色彩、銀河系の幾何学模様、そして夢のようなトロピカリア..

2019年には大阪でポップアップ・ストアを開催するなど、近年注目を集めるアーティストの1人。
https://www.instagram.com/ardneks/


幾何学模様の最新作『クモヨ島 (Kumoyo Island)』は、現在国内盤CDおよび数量限定のTシャツ・セットで発売中。8月26日にはLPが発売される。

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