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FUTURE ISLANDS LIVE REPORT 2017.12.19 WWWX TOKYO

2017.12.20

FUTURE ISLANDS LIVE REPORT 2017.12.19 WWWX TOKYO

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FUTURE ISLANDS LIVE REPORT 2017.12.19 WWWX TOKYO

世界でいちばん熱い夜。
フューチャー・アイランズがツアー千秋楽で見せた男気と涙。

まさに待望の初来日公演。それも、年間130本を超えるツアーの千秋楽となったこの夜のWWW Xは、間違いなく世界でいちばん熱い場所だった。フューチャー・アイランズが〈スリル・ジョッキー〉に在籍していたころのレーベル・メイトにして、ボルチモア・シーンの盟友=ダスティン・ウォン(元ポニーテイル)が嶺川貴子と共にオープニング・アクトを務めていたが、そのダスティンも「1曲目で弦が切れちゃいました」と笑うほどの気合の入りようで、フロアに充満する熱気と期待感もハンパじゃない。

20時35分ごろに場内が暗転すると、ウィリアム・キャッション(B、G)、ゲリット・ウェルマーズ(Key、Prog)、マイケル・ローリー(Dr)の3人がステージへと現れ、続いて大歓声に導かれるように髭をたくわえたサミュエル・T・ヘリング(Vo)が登場。「コンニチハ!僕たちはフューチャー・アイランズだ。東京でプレイできて嬉しいよ」と開口一番に告げると、最新作『The Far Field』(2017年)に収録された“Beauty of the Road”でライヴは幕を開ける。



演歌を思わせる艶っぽいヴィブラートと、猛獣のようなデスヴォイスを使い分けながら、次第に熱を帯びていくサムのパフォーマンスは、2曲目の“Ran”で一気に沸点へ。性急なビートに合わせて拳を胸に叩き付け、スケート選手のごとくステージを右に左に滑走し、前列のファンたちとがっちり握手を交わしたかと思えば、間奏でコサックダンスまで踊る予測不可能なアクションの数々は、笑えるのになぜか超エモーショナル。はじめは失笑混じりに距離を置いていたオーディエンスも、“Walking Through That Door”における全身全霊のシャウトの嵐に、「いま自分はスゴいものを見ている!」と目覚め次々と身体を揺らしていく光景が印象的だった。ひたすらハイハットで16を刻むマイケルと汗びっしょりなサムの運動量に対して、ポーカーフェイスで演奏を続けるウィリアム&ゲリットという構図も面白いが、ギターレスだけあってヴォーカルに負けじと主張しまくるベースのメロディもこのバンドの魅力。まるで、モリッシーとニュー・オーダーがガチンコ勝負を繰り広げているかのようである。

「ロッキーマウンテンを登った時の曲だよ」と明かした“Day Glow Fire”、「ノースキャロライナにある山小屋で書いた曲なんだ」と前置きがあった“A Song for Our Grandfathers”といった、楽曲への没入感を高めてくれる丁寧なMCには、ラッパーとしても活躍するサムの愚直な性格が表れていると言えるだろう。とりわけ、“A Song for~”の演奏中、星になった祖父を探すように天を見つめる彼の仕草は――ともすればクサい芝居とも突っ込まれかねないが――あの一点の曇りもない瞳を見れば、それが大マジなんだということがわかって心底グッときた。イントロのシンセ・リフ一発で「待ってました!」とオーディエンスが沸いた“Seasons (Waiting on You)”もハイライトのひとつだが、そんな一世一代の名曲も通過点と言わんばかりに、2ndアルバム『In Evening Air』(2010年)からオリエンタル風味な“Tin Man”を挟み、ニューウェーヴ色の強い“Spirit”でサムがセクシーに腰をくねらせると、メンバー紹介を経て本編は終了。



アンコールに応えたバンドは、ツアーの終わりを噛み締めるかのごとく『The Far Field』のラストを飾る“Black Rose”をしっとりと披露。「しばらくお別れだから、最後に目一杯踊ろうぜ。カンパイ!」とビールを掲げた後は、《俺たちの間に王様なんていない/俺たちはただのストレンジャーさ》と熱唱する“Vireo's Eye”でフロアは何度目かの狂乱の渦へ。サムが後方のサウンド・エンジニアと照明のスタッフ、そしてマネージャーにも盛大な拍手を贈ってねぎらうと、最後に演奏されたのはデビュー・アルバム『Wave Like Home』(2008年)収録の“Little Dreamer”だ。スケートショップで出会った10歳の少年にインスピレーションを受け(聞き漏らしがあったら失礼)、その少年に、あるいはかつて少年だった自分に、《俺は夢を叶えたぞ》と語りかける手紙のような歌詞が感動的なナンバーだが、時折ひざまずいて歌うサムの目には涙が浮かんでいたように見えたし、彼から放たれる言霊の力は、言語と時空を越えて胸に迫るものがあった。アウトロで約10秒間、誰ひとりとして声も音も発さないシーンがあったが、あれは個人的にもはじめての体験だったし、とても美しく尊い瞬間だったと思う。てか、泣きました。

日本から帰国後は家族とクリスマスを過ごしたり、メンバーそれぞれのサイド・プロジェクトを進めたりと、半年ほどオフに入るというフューチャー・アイランズ。だが、2018年の夏には既に大型フェス出演を含むイギリス&ヨーロッパ・ツアーも決まっているので、ぜひ〈フジロック・フェスティバル〉などの大きな舞台にカムバックしてもらって、より多くの日本のオーディエンスを虜にしてほしいものだ。

Text by Kohei UENO
Photo by Kazumichi Kokei


Set List (17/12/19 WWWX)
- Beauty of the Road
- Ran
- A Dream of You and Me
- Time on Her Side
- Walking Through That Door
- North Star
- Day Glow Fire
- Candles
- Balance
- Before the Bridge
- Long Flight
- Cave
- Through the Roses
- A Song for Our Grandfathers
- Ancient Water
- Inch of Dust
- Seasons (Waiting on You)
- Tin Man
- Spirit
Encore:
- Black Rose
- Vireo's Eye
- Little Dreamer

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