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長谷川白紙 海外での活動の期待が高まる絶好のタイミングでの熱狂のライブ!フジロック'23ライブレポート

2023.08.01

長谷川白紙 海外での活動の期待が高まる絶好のタイミングでの熱狂のライブ!フジロック'23ライブレポート

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長谷川白紙 海外での活動の期待が高まる絶好のタイミングでの熱狂のライブ!フジロック'23ライブレポート

海外での活動の期待が高まる絶好のタイミングでの熱狂のライブ!
緻密に作られたようでいて、偶然性が入り混じったハプニングアートのようでもあった50分間

長谷川白紙 @ Red Marquee 7/29(SAT)

フジロック2日目、深夜のレッド・マーキーに登場した長谷川白紙。このライブの直前にホワイト・ステージで圧巻のエクスペリメンタル・ショウを繰り広げたルイス・コールをはじめ、サンダーキャットやハイエイタス・カイヨーテが所属するLAを拠点とする名インディーレーベル〈Brainfeeder〉に所属する初の日本人アーティストとなることが発表されたばかり。海外での活動の期待が高まる絶好のタイミングで長谷川白紙を見ようと、深夜のレッド・マーキーは大盛況である。
 
全身黒をまとった長谷川白紙は「Xin v1.2.1」で登場し、「長谷川白紙です。よろしくお願いします」と言って未発表曲を披露。頭をブンブンと振り回しながら、一気に自らが鳴らすビートの洪水に身を埋没させる。オーディエンスによる絶叫のような歓声が響きわたる。続く「毒」では不規則なリズムを刻むバキバキのビートとふわりとした柔らかい歌声が融合する。人間の想像力の可能性を拡張するような楽曲に対し、あるオーディエンスは長谷川の動きと呼応するようにタガが外れたように踊りまくり、あるオーディエンスはライブを動画に収めようとスマートフォンをかざし、あるオーディンスは微動だにせずその場に立ち尽くす。歌いながら両手と足をハイスピードで動かし、ラップトップと鍵盤を操り、カオティックな空間を創造する長谷川白紙の姿がまるで魔術師のように見えてくる。ビートが予測不可能に飛び交い、混沌極まりないのに、時折懐かしさを感じる人懐っこいメロディを紡ぐ歌が軽やかで、突き放されたように気持ちになったり、すごく近くにいてくれるような感覚になったりと、本当に不思議なバランスの音楽だ。いや、バランスという概念を崩壊させる神秘性こそが長谷川白紙なのだ。

ヴィジョンに映像企画「長谷川白紙Q13」でもコラボレーションした釣部東京が手がけるグラフィカルな映像が流れる。〈Brainfeeder〉からの第1弾シングル「口の花火」だ。韓国を拠点に活動するYoon Jiのダンスや影山紗和子によるアニメーション、現代美術家・海野林太郎によるフッテージ映像がキッチュなグラフィックとミックスされ、カラフルな最新の長谷川白紙ワールドに引きずり込む。弾むようなビートと口ずさみたくなるようなメロディを宿した歌が目まぐるしく展開されていく。

中盤、長谷川は「ありがとうございます」と言った後、レッド・マーキーに集まったたくさんの人が目に入ったからか「すごい!」と感嘆の声を漏らした。「最高!」という声がフロアから上がり、「じゃあ、やりますか」と言って気合いを入れ直し、「悪魔」へ。キラキラとした旋律と呼応するようにミラーボールが回り、ドリーミーなムードが増大する。

ラストは「ユニ」。灰色のノイズが映るビジョンの前で憂いを帯びた歌を歌いきった長谷川はさっと体を回転させ、ステージを後にした。やがてヴィジョンに本日のセットリストとスタッフリストがエンドロールのように流れた。緻密に作られたようでいて、偶然性が入り混じったハプニングアートのようでもあった50分間だった。

Text by 小松香里

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