ロバート・プラントやブライアン・イーノ、トム・ヨーク、ジャック・ホワイトといったアーティストが絶賛し、グラミー賞も受賞、サハラ砂漠西部のトゥアレグ族によって結成され、 “砂漠のブルース”と称される唯一無二のスタイルで世界を魅了するティナリウェンが、2019年の『Amadjar』以来となる待望の最新アルバム『Amatssou』を発表し、アレクシス・ジャメが監督した1stシングル「Tenere Den」のミュージック・ビデオを公開した。最新作『Amatssou』は、CD、LP、ストリーミング/デジタル配信で5月19日に世界同時リリース。国内流通仕様盤CDには、解説書と歌詞対訳が封入される。LPは通常盤 (ブラック・ヴァイナル) に加え、限定盤 (ホワイト・ヴァイナル) でも発売される。
Tinariwen - Tenere Den (Official Video)
VIDEO
この曲はマリのケル・アダグ地方で起こったトゥアレグ族による革命に敬意を表しており、ミュージックビデオでは、鮮やかで質感のあるアニメーションが、痛切な歌詞を映像で具現化している。
すでに伝説的なキャリアを築き上げているティナリウェン。彼らにとって9枚目となるスタジオアルバム『Amatssou』は、トレードマークである砂漠のブルースと、古き良きアメリカのカントリーミュージックの間に共通する感覚を追求する。タイトルの『Amatssou』はタマシェク語で「恐怖を越えて (Beyond The Fear)」を意味するが、本作のサウンドはまさにそれを体現したものだ。ティナリウェンは、常に大胆不敵な態度で、世界の想像力をかきたてるギタースタイルで発明してきた。彼らはそれをイシュマルやアスーフと呼ぶが、それはタマシェク語で「ノスタルジア」を意味する。世界はそれをトゥアレグ・ブルースと呼ぶようになった。それは悲しみと願いに満ちた音楽であると同時に、すべてを忘れて踊れる音楽でもある。
U2やボブ・ディラン、エミルー・ハリス、ピーター・ガブリエル、ウィリー・ネルソンら大御所を手掛けるダニエル・ラノワのプロデュースも加わり、バンド特有のギターラインと催眠的なグルーブが、バンジョー、フィドル、ペダルスティールギターとシームレスに共存している。トゥアレグの遊牧民とカウボーイの流れ者。ラクダの隊列と野生馬。ティナリウェンによる砂漠のブルースと古き良きアメリカのカントリーミュージックは、数千マイルの海によって隔てられているかもしれないが、そのつながりは実にロマンチックだ。
『Amatssou』のストーリーは、長年のファンを公言しているジャック・ホワイトが、ナッシュヴィルにあるプライベートスタジオでレコーディングしないかと声をかけたことからスタートする。バンドは当初、ジャック・ホワイトのコラボレーターであるウェス・コーベットやファッツ・カプリンといったナッシュヴィルのカントリーミュージシャンたちと、ラノワと共にレコーディングする予定だった。しかし、コロナの影響でティナリウェンはマリからアメリカへの入国が困難になり、ラノワがアフリカに行くことも模索したが、最終的にはティナリウェン、ラノワ、コルベット、カプリンはリモートでの制作を強いられた。
その状況下でティナリウェンは、先史時代の洞窟壁画で知られるユネスコ世界遺産のタッシリ・ナジェール国立公園内にあるアルジェリア南部の砂漠のオアシス、ジャネットでアルバムの下地を作ることを決めた。ギザギザの岩肌とドラマチックな砂岩の景色の中で、ティナリウェンは同じトゥアレグ族のバンド、イマルハンの機材を借りて、テントの中に即席のスタジオを構えた。
コルベットとカプリンはナッシュビルでレコーディングを行い、そしてカビル族のパーカッショニスト、アマール・シャウイはパリでレコーディングを行う形で参加し、ラノワはロサンゼルスのスタジオから巧みなタッチを加えた。ラノワによるペダルスティールギターとプロダクション・テクニックが、ティナリウェンのトランシーなサウンドに、草原な荘厳な雰囲気を与え、カプリンはペダルスティールギターとバイオリン、バンジョーで6曲に参加している。
ティナリウェンは何十年もの間、自分たちの民族のアンバサダー的な存在をまっとうしてきた。自然とも調和した彼らの生活様式は、かつてないほどの脅威にさらされているという。トゥアレグ文化は古代ギリシャやローマと同じくらいの歴史を持つが、『Amatssou』の収録曲はトゥアレグの現在の生活、厳しい現実を物語っている。『Amatssou』を通して、ティナリウェンは、マリの政治的、社会的な混乱を訴え、詩的な寓話に満ちた歌詞は、団結と自由を呼びかける。現在のマリの絶望的な政変とサラフィストの勢力拡大に対する苦悩と抵抗を歌っているのだ。
Tinariwen - Tenere Den (Official Video)
この曲はマリのケル・アダグ地方で起こったトゥアレグ族による革命に敬意を表しており、ミュージックビデオでは、鮮やかで質感のあるアニメーションが、痛切な歌詞を映像で具現化している。
すでに伝説的なキャリアを築き上げているティナリウェン。彼らにとって9枚目となるスタジオアルバム『Amatssou』は、トレードマークである砂漠のブルースと、古き良きアメリカのカントリーミュージックの間に共通する感覚を追求する。タイトルの『Amatssou』はタマシェク語で「恐怖を越えて (Beyond The Fear)」を意味するが、本作のサウンドはまさにそれを体現したものだ。ティナリウェンは、常に大胆不敵な態度で、世界の想像力をかきたてるギタースタイルで発明してきた。彼らはそれをイシュマルやアスーフと呼ぶが、それはタマシェク語で「ノスタルジア」を意味する。世界はそれをトゥアレグ・ブルースと呼ぶようになった。それは悲しみと願いに満ちた音楽であると同時に、すべてを忘れて踊れる音楽でもある。
U2やボブ・ディラン、エミルー・ハリス、ピーター・ガブリエル、ウィリー・ネルソンら大御所を手掛けるダニエル・ラノワのプロデュースも加わり、バンド特有のギターラインと催眠的なグルーブが、バンジョー、フィドル、ペダルスティールギターとシームレスに共存している。トゥアレグの遊牧民とカウボーイの流れ者。ラクダの隊列と野生馬。ティナリウェンによる砂漠のブルースと古き良きアメリカのカントリーミュージックは、数千マイルの海によって隔てられているかもしれないが、そのつながりは実にロマンチックだ。
『Amatssou』のストーリーは、長年のファンを公言しているジャック・ホワイトが、ナッシュヴィルにあるプライベートスタジオでレコーディングしないかと声をかけたことからスタートする。バンドは当初、ジャック・ホワイトのコラボレーターであるウェス・コーベットやファッツ・カプリンといったナッシュヴィルのカントリーミュージシャンたちと、ラノワと共にレコーディングする予定だった。しかし、コロナの影響でティナリウェンはマリからアメリカへの入国が困難になり、ラノワがアフリカに行くことも模索したが、最終的にはティナリウェン、ラノワ、コルベット、カプリンはリモートでの制作を強いられた。
その状況下でティナリウェンは、先史時代の洞窟壁画で知られるユネスコ世界遺産のタッシリ・ナジェール国立公園内にあるアルジェリア南部の砂漠のオアシス、ジャネットでアルバムの下地を作ることを決めた。ギザギザの岩肌とドラマチックな砂岩の景色の中で、ティナリウェンは同じトゥアレグ族のバンド、イマルハンの機材を借りて、テントの中に即席のスタジオを構えた。
コルベットとカプリンはナッシュビルでレコーディングを行い、そしてカビル族のパーカッショニスト、アマール・シャウイはパリでレコーディングを行う形で参加し、ラノワはロサンゼルスのスタジオから巧みなタッチを加えた。ラノワによるペダルスティールギターとプロダクション・テクニックが、ティナリウェンのトランシーなサウンドに、草原な荘厳な雰囲気を与え、カプリンはペダルスティールギターとバイオリン、バンジョーで6曲に参加している。
ティナリウェンは何十年もの間、自分たちの民族のアンバサダー的な存在をまっとうしてきた。自然とも調和した彼らの生活様式は、かつてないほどの脅威にさらされているという。トゥアレグ文化は古代ギリシャやローマと同じくらいの歴史を持つが、『Amatssou』の収録曲はトゥアレグの現在の生活、厳しい現実を物語っている。『Amatssou』を通して、ティナリウェンは、マリの政治的、社会的な混乱を訴え、詩的な寓話に満ちた歌詞は、団結と自由を呼びかける。現在のマリの絶望的な政変とサラフィストの勢力拡大に対する苦悩と抵抗を歌っているのだ。