イタリアのミラノを拠点に活動するロレンツォ・センニ。トランス〜レイヴを解体した彼にしか作り出せない最先端のサウンドによって注目を集め、エイフェックス・ツインがライブセットでヘビロテするなど話題を呼んだ彼が、〈Warp〉からは初めてとなる待望の最新アルバム『Scacco Matto』を4月24日にリリースすることが決定し、同時に収録曲「Discipline of Enthusiasm」を先行解禁した。
Lorenzo Senni - Discipline of Enthusiasm
https://www.youtube.com/watch?v=qNlbN_YZHFY
〈Warp〉からの初リリースとなったEP『Persona』から4年、彼はこの期間、ミラノを拠点にロンドンのテート・モダンやパリのポンピドゥー・センター、ヴェネツィア・ビエンナーレ2019他、様々な場所で展示やパフォーマンスを行って芸術分野を探究するアーティストとしての活動を行い、更に自身が率いるレーベル〈Presto!?〉からは日本人コンポーザーTasho Ishiによる作品『Dentsu2060』をリリースし、ここ日本でも話題になるなど、幅広い活動を見せてきた。
4月にリリースされる最新作『Scacco Matto』では、センニ独自の「点描」の技法が用いられている。制限を加えられ張りつめたサウンドは、ドラム抜きのリズムとメロディーが主体となり、その中で今作は楽曲としての構造がより鮮明になっている。こうした大胆なサウンドを提示しながら、彼はトランスミュージックを巧みに操り、予期せぬサウンドを発生させ、新しい音楽形態を作り出している。
トランス、レイヴ、ポップ、さらにはクラシックから参照された様々な要素は、デジタル化され、まるでベンディドットの技法(水玉模様の大きさや密度によって、さまざまな色合いや濃淡を表現する技法で、限られた色数でも表現できることから印刷技術などに用いられる)で描いたような世界を構成している。
アルバムタイトルは、イタリア語で『チェックメイト』を意味していて、それぞれのトラックには必ず『対戦相手』が存在する――言うなれば、僕は自分自身とチェスをプレイしているようなものだ。楽曲が適切と思える形になるよう真剣に取り組んだ上で、そこから都合よく別のアプローチに切り替えた。『Quantum Jelly』以後、温めてきたアイデアをどこまで押し進められるか確かめたかった。それを実行するためには、自分で制限と規則を課す必要があったんだ - Lorenzo Senni
レコーディングに臨むに当たって、常に自分自身が直前に打った手、すなわち『対戦相手』と相反する行動を取った。『対戦相手』に立ち向かわなければならない、という障害があることで工夫を強いられ、結果、予想もしなかった興味深い手段を採用することができたのだ。
これはアルバムのアートワークにも反映されている――使われているのは、アメリカの世界的写真家ジョン・ディヴォラによる画像だ。絵画のように美しいカリフォルニアの風景を老朽化した窓枠越しに撮影したもので、窓枠には黒い塗料で複数の丸を描いた水玉模様がついている。
Zuma #30と名付けられたディヴォラによる写真は、輝かしく色鮮やかで感動的な夕暮れが塗料で毀損された壁で切り取られていて、僕にとってこの画像は、壮大な景色に境界を設けて見る者を現実の世界に引き戻すように思える。感情を込めた音楽を作って、種々の制限にかかわらず抽象的な文脈で理解されるようにしたいという僕の意図や、そうしたふたつの要素を同じ作品で共存させなければならないという要求に、この写真は完璧に合致するんだ - Lorenzo Senni
センニはディヴォラの作品に自身の実践が表れていると考える。彼はダンスミュージックを破壊するのではなく、既存の価値に風穴を開けようとしている。ダンスミュージックをばらばらに粉砕し、その破片でチェスをプレイする――そうして緊張状態を生み出し、そこから最終的な解決を導こうとしている。『Scacco Matto』とはチェックメイトのことだ――それは努力と戦略と創造的な心理プロセスを経て到達するべき究極の結果だ。
待望の最新作『Scacco Matto』は4月24日リリース!国内盤には2曲のボーナストラック「Win in The Flat World」、「The Shape of Trance to Come」が収録され、解説が封入される。
Lorenzo Senni - Discipline of Enthusiasm
https://www.youtube.com/watch?v=qNlbN_YZHFY
〈Warp〉からの初リリースとなったEP『Persona』から4年、彼はこの期間、ミラノを拠点にロンドンのテート・モダンやパリのポンピドゥー・センター、ヴェネツィア・ビエンナーレ2019他、様々な場所で展示やパフォーマンスを行って芸術分野を探究するアーティストとしての活動を行い、更に自身が率いるレーベル〈Presto!?〉からは日本人コンポーザーTasho Ishiによる作品『Dentsu2060』をリリースし、ここ日本でも話題になるなど、幅広い活動を見せてきた。
4月にリリースされる最新作『Scacco Matto』では、センニ独自の「点描」の技法が用いられている。制限を加えられ張りつめたサウンドは、ドラム抜きのリズムとメロディーが主体となり、その中で今作は楽曲としての構造がより鮮明になっている。こうした大胆なサウンドを提示しながら、彼はトランスミュージックを巧みに操り、予期せぬサウンドを発生させ、新しい音楽形態を作り出している。
トランス、レイヴ、ポップ、さらにはクラシックから参照された様々な要素は、デジタル化され、まるでベンディドットの技法(水玉模様の大きさや密度によって、さまざまな色合いや濃淡を表現する技法で、限られた色数でも表現できることから印刷技術などに用いられる)で描いたような世界を構成している。
アルバムタイトルは、イタリア語で『チェックメイト』を意味していて、それぞれのトラックには必ず『対戦相手』が存在する――言うなれば、僕は自分自身とチェスをプレイしているようなものだ。楽曲が適切と思える形になるよう真剣に取り組んだ上で、そこから都合よく別のアプローチに切り替えた。『Quantum Jelly』以後、温めてきたアイデアをどこまで押し進められるか確かめたかった。それを実行するためには、自分で制限と規則を課す必要があったんだ - Lorenzo Senni
レコーディングに臨むに当たって、常に自分自身が直前に打った手、すなわち『対戦相手』と相反する行動を取った。『対戦相手』に立ち向かわなければならない、という障害があることで工夫を強いられ、結果、予想もしなかった興味深い手段を採用することができたのだ。
これはアルバムのアートワークにも反映されている――使われているのは、アメリカの世界的写真家ジョン・ディヴォラによる画像だ。絵画のように美しいカリフォルニアの風景を老朽化した窓枠越しに撮影したもので、窓枠には黒い塗料で複数の丸を描いた水玉模様がついている。
Zuma #30と名付けられたディヴォラによる写真は、輝かしく色鮮やかで感動的な夕暮れが塗料で毀損された壁で切り取られていて、僕にとってこの画像は、壮大な景色に境界を設けて見る者を現実の世界に引き戻すように思える。感情を込めた音楽を作って、種々の制限にかかわらず抽象的な文脈で理解されるようにしたいという僕の意図や、そうしたふたつの要素を同じ作品で共存させなければならないという要求に、この写真は完璧に合致するんだ - Lorenzo Senni
センニはディヴォラの作品に自身の実践が表れていると考える。彼はダンスミュージックを破壊するのではなく、既存の価値に風穴を開けようとしている。ダンスミュージックをばらばらに粉砕し、その破片でチェスをプレイする――そうして緊張状態を生み出し、そこから最終的な解決を導こうとしている。『Scacco Matto』とはチェックメイトのことだ――それは努力と戦略と創造的な心理プロセスを経て到達するべき究極の結果だ。
待望の最新作『Scacco Matto』は4月24日リリース!国内盤には2曲のボーナストラック「Win in The Flat World」、「The Shape of Trance to Come」が収録され、解説が封入される。