バンドにとってこの5年間の歩みは決して平坦ではなかった。2020年5月にリリースした実験的かつビート重視の作風となったアルバム『Making a Door Less Open』は、世界的な混乱の時期と重なり、バンドは長期間にわたり活動休止を余儀なくされた。2022年にようやくツアーを再開すると、「It’s Only Sex」や「Sober to Death」が思わぬバイラルヒットを遂げたことで、過去の代表作『Teens of Denial』や『Twin Fantasy』とあわせ、新世代のファンをも惹きつけることになった。大掛かりな演出を施したMasqueradeツアーでは、長年培ってきたラウドで荒々しいロックとは異なる、精密な大規模プロダクションに挑戦し、バンドは自らの新境地を切り拓いたが、その直後にメンバー全員が体調を崩してしまう。
アンドリュー・カッツとウィル・トレドはCOVID-19に感染し、残りの公演をキャンセルして回復に努めた。カッツは2週間寝込み、トレドはさらに長引いた末にヒスタミン不耐症が判明、食生活を大幅に変えざるを得なくなった。療養期間中、トレドは瞑想アプリから禅や仏教へと思索を深め、精神的な実践を続けることを意識するようになった。幼い頃から長老派教会で育った彼だが、現在は特定の信仰に囚われるのではなく、常に形を変え続けるスピリチュアルな流れを、社会のさまざまなカルチャーにも感じているという。
配信リンク >>> https://carseatheadrest.mat-r.co/gethsemane
トレドはシェイクスピアやモーツァルト、古典オペラを下敷きに壮大な物語を練り上げつつ、ザ・フーの『Tommy』やデヴィッド・ボウイの『Ziggy Stardust』の流れを踏襲するロック・オペラの形式に挑戦している。プロットを優先しすぎて曲が犠牲になるのではなく、各楽曲が“キャラクター”となってそれぞれの見せ場を持つという構成が特徴だ。
バンドにとってこの5年間の歩みは決して平坦ではなかった。2020年5月にリリースした実験的かつビート重視の作風となったアルバム『Making a Door Less Open』は、世界的な混乱の時期と重なり、バンドは長期間にわたり活動休止を余儀なくされた。2022年にようやくツアーを再開すると、「It’s Only Sex」や「Sober to Death」が思わぬバイラルヒットを遂げたことで、過去の代表作『Teens of Denial』や『Twin Fantasy』とあわせ、新世代のファンをも惹きつけることになった。大掛かりな演出を施したMasqueradeツアーでは、長年培ってきたラウドで荒々しいロックとは異なる、精密な大規模プロダクションに挑戦し、バンドは自らの新境地を切り拓いたが、その直後にメンバー全員が体調を崩してしまう。
アンドリュー・カッツとウィル・トレドはCOVID-19に感染し、残りの公演をキャンセルして回復に努めた。カッツは2週間寝込み、トレドはさらに長引いた末にヒスタミン不耐症が判明、食生活を大幅に変えざるを得なくなった。療養期間中、トレドは瞑想アプリから禅や仏教へと思索を深め、精神的な実践を続けることを意識するようになった。幼い頃から長老派教会で育った彼だが、現在は特定の信仰に囚われるのではなく、常に形を変え続けるスピリチュアルな流れを、社会のさまざまなカルチャーにも感じているという。
さまざまな試練を経たカー・シート・ヘッドレストは、今や次のステージへと踏み出している。もともとはソロプロジェクトとして始まったが、今ではメンバー全員で音を紡ぎ出すバンドへと生まれ変わった。トレド自身も、パンデミック下で“繭”のように閉じこもった時間の中でメンバーとの結束を強め、ライブや制作、その他すべてが統合される実感を得ることができたと話す。その結晶が『The Scholars』という一つの作品となり、これまでのファンも新たに知る人々も、幾度も聴き返したくなる豊潤な世界が広がっている。
カー・シート・ヘッドレストによる最新作『The Scholars』は、CD、LP、デジタル/ストリーミング配信で2025年5月2日(金)に世界同時リリース。国内流通仕様盤CDには、解説書が封入される。輸入盤はCDと通常ブラック・ヴァイナルが発売される。