デビュー・アルバムがResident Advisorの年間ベスト1位に選ばれるなど衝撃的なデビューを果たし、2020年代においても最重要プロデューサーの1人として数えられるニコラス・ジャー、アームスをはじめ数々のNYインディー・バンドを渡り歩いた名マルチ・プレイヤーのデイヴ・ハリントン、そして新メンバーのトラカエル・エスパルザの3人によるバンド、ダークサイド。4年ぶりとなる待望の3rdアルバム『Nothing』を2月28日(金)に〈Matador Records〉よりリリースすることを発表し、最新作から先行で新曲「S.N.C」をミュージック・ビデオと共に公開した。
これまでの2作品を制作するにあたり、ニコラス・ジャーとデイヴ・ハリントンは、様々なアイデアやメロディの断片をスタジオに持ち込み、それらを形作っていき、『Psychic』(2013年)と『Spiral』(2021年)が誕生した。しかし『Nothing』は、自由な即興演奏やアコースティックなリフ奏法、エレクトロニックな浮遊感などから導き出された音像を模索した結果となった。また、バンドとしての最初の10数年間から根本的に変化したことは、ジャーとハリントンが長年の友人でありコラボレーターでもあるドラマー兼楽器デザイナーのトラカエル・エスパルザを新たなメンバーとして迎え入れたことである。その結果、磁石のように人を引き付ける象形文字のような作品が生まれた。このアルバムは、蛇行するギター音や、まるで地球外から発信されたようなノイズ、深淵を思わせるドラムが、音楽という既成概念を突き抜けている。心を悩ませるリズム、歪んだヴォーカル、そして、不思議な美しさ。
2014年のツアーで使用していた7フィートの両面ミラーを粉々に破壊した直後、ダークサイドは6年間の活動休止を発表した。その間、ジャーは自身の名義や、ダンス志向の別名義アゲインスト・オール・ロジックとして、高い評価を受けたソロアルバムを次々と発表した。チリ人アーティストである彼は、第二の故郷であるニューヨークを離れ、放浪的な海外生活を送るようになった。映画のサウンドトラックを手掛け、FKAツイッグスのプロデュースを行い、中東、ヨーロッパ、ラテンアメリカ各地で音響編集とリスニングのワークショップを教えた。ニューヨークの前衛ジャズシーンにルーツを持つハリントンも、同様に独自の道を歩んだ。ジョン・マクラフリンとジェリー・ガルシアの中間を行くような直感的な演奏家であり、ギタリストでありマルチ・インストゥルメンタリストでもある彼は、西海岸に移り住むとすぐに、たちまちL.A.アンダーグラウンドの中心的存在として注目されるようになった。彼は、同世代のアーティストの中でも、特に多作で想像力豊かな実験家として知られ、自身のグループを率いたり、さまざまなアンサンブルで演奏したり、アメリカ最後となる偉大な新星ロックバンド、テーパーズ・チョイス(リアル・エステートとヴァンパイア・ウィークエンドのメンバーで結成されたジャム・バンド)の共同創設者としても活躍してきた。
そして物語はロサンゼルスで再開する。2022年秋、ダークサイドは8年ぶりにライヴバンドとして生まれ変わった姿を披露すべく、一連のツアーを企画した。復帰に向けての準備として、ダークサイドはロサンゼルス北東部にテナントを借りた。エスパルザがメンバーとして加わったことで、バンドのサウンドと精神は根本的に変貌した。2022年の夏を通して、新生トリオはゼロから自分たちを作り上げていった。The Spiral Houseで、彼らは自分たちの新しいアイデンティティと表現方法を解読していった。こうした即興のセッションから、「Nothing Jam」というひとつの重要な指針が生まれた。このコンセプトは、最初、マインドフルネスを絶えず探求する中で浮かんできたものだったが、それだけでなく、ハリントンが毎朝、生まれたばかりの娘と過ごすひとときにも由来している。彼は、娘と一緒に床に座って何もしないという行為に深い美しさを見出したのだった。「Nothing(無・何もない)」というモチーフは、2023年の春から夏にかけて行われたダークサイドのヨーロッパ・ツアーで繰り返し登場した。「Nothing Jam」における無の感覚は、むしろ、創造の源となる宇宙と化す可能性を秘めていた。アルバムのレコーディング・セッションはツアーのオフ日に開始され、3人は南フランスのスタジオに籠った。彼らはすぐに自由奔放でゆるいグルーヴに身をゆだねた。フランスの後にはロサンゼルスで1週間、さらにパリで1週間のセッションが続いた。その結果誕生したのが、この『Nothing』である。
2025年2月28日(金)に世界同時発売となる本作は、デジタル/ストリーミング配信に加えて、国内流通仕様盤CDに解説書を収録。輸入盤はCDと通常ブラック・ヴァイナルに加え、数量限定レッド・ヴァイナルが発売される。
これまでの2作品を制作するにあたり、ニコラス・ジャーとデイヴ・ハリントンは、様々なアイデアやメロディの断片をスタジオに持ち込み、それらを形作っていき、『Psychic』(2013年)と『Spiral』(2021年)が誕生した。しかし『Nothing』は、自由な即興演奏やアコースティックなリフ奏法、エレクトロニックな浮遊感などから導き出された音像を模索した結果となった。また、バンドとしての最初の10数年間から根本的に変化したことは、ジャーとハリントンが長年の友人でありコラボレーターでもあるドラマー兼楽器デザイナーのトラカエル・エスパルザを新たなメンバーとして迎え入れたことである。その結果、磁石のように人を引き付ける象形文字のような作品が生まれた。このアルバムは、蛇行するギター音や、まるで地球外から発信されたようなノイズ、深淵を思わせるドラムが、音楽という既成概念を突き抜けている。心を悩ませるリズム、歪んだヴォーカル、そして、不思議な美しさ。
2014年のツアーで使用していた7フィートの両面ミラーを粉々に破壊した直後、ダークサイドは6年間の活動休止を発表した。その間、ジャーは自身の名義や、ダンス志向の別名義アゲインスト・オール・ロジックとして、高い評価を受けたソロアルバムを次々と発表した。チリ人アーティストである彼は、第二の故郷であるニューヨークを離れ、放浪的な海外生活を送るようになった。映画のサウンドトラックを手掛け、FKAツイッグスのプロデュースを行い、中東、ヨーロッパ、ラテンアメリカ各地で音響編集とリスニングのワークショップを教えた。ニューヨークの前衛ジャズシーンにルーツを持つハリントンも、同様に独自の道を歩んだ。ジョン・マクラフリンとジェリー・ガルシアの中間を行くような直感的な演奏家であり、ギタリストでありマルチ・インストゥルメンタリストでもある彼は、西海岸に移り住むとすぐに、たちまちL.A.アンダーグラウンドの中心的存在として注目されるようになった。彼は、同世代のアーティストの中でも、特に多作で想像力豊かな実験家として知られ、自身のグループを率いたり、さまざまなアンサンブルで演奏したり、アメリカ最後となる偉大な新星ロックバンド、テーパーズ・チョイス(リアル・エステートとヴァンパイア・ウィークエンドのメンバーで結成されたジャム・バンド)の共同創設者としても活躍してきた。
そして物語はロサンゼルスで再開する。2022年秋、ダークサイドは8年ぶりにライヴバンドとして生まれ変わった姿を披露すべく、一連のツアーを企画した。復帰に向けての準備として、ダークサイドはロサンゼルス北東部にテナントを借りた。エスパルザがメンバーとして加わったことで、バンドのサウンドと精神は根本的に変貌した。2022年の夏を通して、新生トリオはゼロから自分たちを作り上げていった。The Spiral Houseで、彼らは自分たちの新しいアイデンティティと表現方法を解読していった。こうした即興のセッションから、「Nothing Jam」というひとつの重要な指針が生まれた。このコンセプトは、最初、マインドフルネスを絶えず探求する中で浮かんできたものだったが、それだけでなく、ハリントンが毎朝、生まれたばかりの娘と過ごすひとときにも由来している。彼は、娘と一緒に床に座って何もしないという行為に深い美しさを見出したのだった。「Nothing(無・何もない)」というモチーフは、2023年の春から夏にかけて行われたダークサイドのヨーロッパ・ツアーで繰り返し登場した。「Nothing Jam」における無の感覚は、むしろ、創造の源となる宇宙と化す可能性を秘めていた。アルバムのレコーディング・セッションはツアーのオフ日に開始され、3人は南フランスのスタジオに籠った。彼らはすぐに自由奔放でゆるいグルーヴに身をゆだねた。フランスの後にはロサンゼルスで1週間、さらにパリで1週間のセッションが続いた。その結果誕生したのが、この『Nothing』である。
2025年2月28日(金)に世界同時発売となる本作は、デジタル/ストリーミング配信に加えて、国内流通仕様盤CDに解説書を収録。輸入盤はCDと通常ブラック・ヴァイナルに加え、数量限定レッド・ヴァイナルが発売される。