このアルバムのメインテーマは絶望だ。信用できない語り手というよりは、すべてをコントロールできていると自分をごまかしているが、実際にはコントロールできていない人物の声が聴こえてくる。
- ジョーディー・グリープ

ブラック・ミディのギタリスト兼ヴォーカリストであるジョーディー・グリープ が、ソロ・デビュー・アルバム 『The New Sound』を発表し、そのファースト・シングル「Holy, Holy」 をEthan and Tomが監督したビデオと共に公開した。『The New Sound』全部を網羅するのは、酔っ払った後にピカデリー・サーカス (ロンドンにある、渋谷スクランブルのような巨大な交差点) を横断するようなものだ。この先行曲「Holy Holy」は、その最たる例だろう。このような響きの、都会的ロマンチック・ファンタジーがかつてあっただろうか?おそらくノエル・カワード以来だ。

Geordie Greep - Holy, Holy


圧巻の演奏スキルと爆発的イマジネーションで、新世代UKシーンの核として活躍してきたバンド、ブラック・ミディとして、3枚の驚異的なアルバム『Schlagenheim』(2019)『Cavalcade』(2021)『Hellfire』(2022)をリリースし、どの作品も世界的に大絶賛された。そして、完売が続出し大成功を収めた2019年と2022年の日本ツアーや、FUJI ROCK FESTIVAL '23ホワイト・ステージへの出演、世界の名だたるフェスへの出演など、5年近くにわたるほぼノンストップのワールド・ツアーを経て、ジョーディー・グリープはどういうわけか、初のソロ・アルバム『The New Sound』をレコーディングする時間も捻出していた。このアルバムによって、彼はこれまでにないほど創造的なアイデアを探求することができるようになった。制作に、2つの大陸—サンパウロとロンドンーにまたがる30人以上のセッション・ミュージシャンが関わっているこのアルバムは、それらのミュージシャン達と、ジョディー・グリープによるブラック・ミディ仕込みの信じられないほどハイレベルな演奏、爆音、衝撃音、ささやくような独り言など、音楽的、叙情的なテクニックと様々な音楽ジャンルが見事な化学反応を起こしており、長い間聴くことができなかった、ハイクオリティで全方位的なオルタナティヴ・ポップの醍醐味が堪能できる。アルバム全11曲を通してリスナーを十分に惹きつける作品であることに間違いはない。

僕の計画は、『キース・ジャレットのようなことをする』こと。つまり、違う場所で毎回違うセッション・ミュージシャンのグループを起用し、同じようにはできないという現実に耳を傾けることなんだ。
- ジョーディー・グリープ

ジョーディーが指揮を執る以上、何かが 「同じであり続ける」ことなどあり得ないだろう。 そして、その「同じであり続ける」ことがないジョーディー・グリープの来日ツアーが決定している。詳細は近日発表される。

Geordie Greep JAPAN TOUR 2025

2月13日(木)東京
2月14日(金)名古屋
2月15日(土)京都
2月16日(日)大阪
2月18日(火)広島

2024年10月4日(金)に世界同時発売となる本作は、デジタル/ストリーミング配信に加えて、国内盤CDに解説書・歌詞対訳・ボーナストラック2曲「Aching Knees」「I love My Family」を追加収録。輸入盤はCDと通常盤LPと通常盤LP(日本語帯付き)に加え、通常盤とジャケットが異なる限定盤LPと限定盤LP(日本語帯付き/特典7インチ付き)が発売される。