Superorganism @ WHITE STAGE 7/31(SUN)
「ピカピカするのを感じると、人類が一斉にジャンプする」(“World Wide Pop”)。まさにそんなリリックを現実にしたかのようなステージだった。
17時50分ごろ、陽の落ちかけたホワイト・ステージに、お揃いの、ではないが、色味をモノトーンで合わせた衣装に身を包んで現れたスーパーオーガニズムは、約4年ぶりにセカンド・アルバム『World Wide Pop』を先日発表したばかり。ポップでカラフルで少しチープなD.I.Y感を備えたファースト・アルバム『Superorganism』の楽曲に、スチュアート・プライスをプロデューサーに招きD.I.Y感は残しつつもウェルメイドなポップ・ソング集となった最新作の楽曲もライブのレパートリーに加わり、一体どのようなステージになるのだろうか。期待に胸を膨らませていると、さっそく最新作からタイトル曲がプレイされる。中央に(曲によってはアコギを持って)立つオロノの左右で、楽しげに踊るBとソウルにつられるように、観客も音に身を委ねている。前半は比較的次々と楽曲をプレイしていった印象だが、中でもスマートフォンを掲げてステージを撮影することが当たり前の景色になった昨今、“Put Down Your Phone”の「携帯を切ろう」というリリックが、この目の前にある最高な瞬間を味わい尽くせと言わんばかりに響いていたのが印象的だった。
途中、オロノがリリックを飛ばしたり、ハリーとトゥーカンの息が若干ズレたように感じた瞬間もあったが、最新作の中で最も疾走感のある“Flying”でオロノがサックスを披露するサプライズをはじめ、オロノはカウチに寝そべりながら歌ったり、MCでは観客の一人を指差してコミュニケーションを取ったりと、楽曲以外にもつい笑顔になってしまうようなステージングでしっかりとカバー。
後半に差し掛かるとホワイト・ステージの盛り上がりはさらに加速する。「Can you guys dance?」という煽りから「水飲んでる?」とオロノが日本語で観客を気遣うMCを挟んで“Don't Let the Colony Collapse”へ。一斉にジャンプするオーディエンスをオロノは「もっと!」と焚きつけ、大地が揺れているのではないかと思うほどの光景に。
とはいえ、最も衝撃的だったのはラストだろう。オロノは「You!」と指名して観客を次々にステージに上げ、さらにはバックステージのスタッフらも呼び込んで、気がつけばステージ上に何人いるのかすらわからない状態に。ちなみに、ステージに現れた人々の中には最新作の国内盤ボーナストラックで“Black Hole Baby”のカバーを披露しているめ組のギター・ボーカル、菅原達也の姿もあった。そうして演奏された“Something for Your M.I.N.D.”では、ステージに集まった人々が肩を組んで踊り、素晴らしい大団円へ。いわば根無し草が絡み合ったようなバンド、スーパーオーガニズムが、ステージとフロアの境界線すらも超えた先でこれほどの絶景を生み出したのだ。感動に胸打たれながら、別の媒体での取材時に「(最新作を聴いて)自分もスーパーオーガニズムの一員かもしれないと思った」と伝えるとオロノが「その通り!」とはっきり答えてくれたことを思い出していた。
終盤、オロノはMCで来年1月の再来日を仄めかしていた。もしそれが叶えば、これから世界中をツアーで回り、さらに磨きのかかったスーパーオーガニズムのライブを観ることができるだろう。
高久大輝
セトリ・プレイリスト公開!
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「ピカピカするのを感じると、人類が一斉にジャンプする」(“World Wide Pop”)。まさにそんなリリックを現実にしたかのようなステージだった。
17時50分ごろ、陽の落ちかけたホワイト・ステージに、お揃いの、ではないが、色味をモノトーンで合わせた衣装に身を包んで現れたスーパーオーガニズムは、約4年ぶりにセカンド・アルバム『World Wide Pop』を先日発表したばかり。ポップでカラフルで少しチープなD.I.Y感を備えたファースト・アルバム『Superorganism』の楽曲に、スチュアート・プライスをプロデューサーに招きD.I.Y感は残しつつもウェルメイドなポップ・ソング集となった最新作の楽曲もライブのレパートリーに加わり、一体どのようなステージになるのだろうか。期待に胸を膨らませていると、さっそく最新作からタイトル曲がプレイされる。中央に(曲によってはアコギを持って)立つオロノの左右で、楽しげに踊るBとソウルにつられるように、観客も音に身を委ねている。前半は比較的次々と楽曲をプレイしていった印象だが、中でもスマートフォンを掲げてステージを撮影することが当たり前の景色になった昨今、“Put Down Your Phone”の「携帯を切ろう」というリリックが、この目の前にある最高な瞬間を味わい尽くせと言わんばかりに響いていたのが印象的だった。
途中、オロノがリリックを飛ばしたり、ハリーとトゥーカンの息が若干ズレたように感じた瞬間もあったが、最新作の中で最も疾走感のある“Flying”でオロノがサックスを披露するサプライズをはじめ、オロノはカウチに寝そべりながら歌ったり、MCでは観客の一人を指差してコミュニケーションを取ったりと、楽曲以外にもつい笑顔になってしまうようなステージングでしっかりとカバー。
後半に差し掛かるとホワイト・ステージの盛り上がりはさらに加速する。「Can you guys dance?」という煽りから「水飲んでる?」とオロノが日本語で観客を気遣うMCを挟んで“Don't Let the Colony Collapse”へ。一斉にジャンプするオーディエンスをオロノは「もっと!」と焚きつけ、大地が揺れているのではないかと思うほどの光景に。
とはいえ、最も衝撃的だったのはラストだろう。オロノは「You!」と指名して観客を次々にステージに上げ、さらにはバックステージのスタッフらも呼び込んで、気がつけばステージ上に何人いるのかすらわからない状態に。ちなみに、ステージに現れた人々の中には最新作の国内盤ボーナストラックで“Black Hole Baby”のカバーを披露しているめ組のギター・ボーカル、菅原達也の姿もあった。そうして演奏された“Something for Your M.I.N.D.”では、ステージに集まった人々が肩を組んで踊り、素晴らしい大団円へ。いわば根無し草が絡み合ったようなバンド、スーパーオーガニズムが、ステージとフロアの境界線すらも超えた先でこれほどの絶景を生み出したのだ。感動に胸打たれながら、別の媒体での取材時に「(最新作を聴いて)自分もスーパーオーガニズムの一員かもしれないと思った」と伝えるとオロノが「その通り!」とはっきり答えてくれたことを思い出していた。
終盤、オロノはMCで来年1月の再来日を仄めかしていた。もしそれが叶えば、これから世界中をツアーで回り、さらに磨きのかかったスーパーオーガニズムのライブを観ることができるだろう。
高久大輝
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