Move Of Ten (Part2)

Move Of Ten (Part2)

Autechre

RELEASE: 2010.07.12

LABELS:

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • LINE

『Oversteps』の対極で鳴らされるリズミックなビートと不穏なサウンド・スケープ。
共通するのは空間の美しさ、新たなプロダクション・デザインへの探究心。
『Oversteps』の実験は序章に過ぎなかった!!!

アルバム・リリース時からその存在が噂されていた作品が遂に全貌を現す!
『Oversteps』、新たなライブ・セット、そして『Move Of Ten』。
全てが計算され、絡み合い、必然的に産み落とされたもう1つの傑作!!

Rob Brownが「かなりの自信作であり、サウンド的に完璧にデザインされている。」と発言していたほど、自分たちでも高く評価した『Oversteps』。ここ日本では「キャリア史上、最も美しいダンス・ミュージック」と評された作品は本国イギリスでも絶賛され、「キャリアの後期でこういう反応を受けるのは素晴らしいことだよ。」と手応えを感じていたオウテカが、早くも次なる作品を発表する。「ハーモニーを多く使ったけど、オウテカのイメージとは異なる新しいものだよね」(Sean Booth)。『Oversteps』はよりハーモニーとメロディーにフォーカスした作品だった。そして、「シンプルにすること、音数を少なくすることは意図的だった。そこが美の象徴であり、スペースを残す事でアイディアをより豊かに表現できたと思う。」(Rob Brown)と語るように、スペース(空間)を残すプロダクションを意識することによって、豊かで美しいサウンド・デザインが実現された。そして、本作『MoveOf Ten』は、アルバム同様、余分な要素を積極的に排し、スペースの重要性を前提にしながらも、“リズム”を強調し、“リズミックなフィーリング”を色濃く反映させたサウンド・スケープが展開されている。注目すべき点はその制作プロセスである。『Quaristice』ツアーが終わった後、次の作品を作り始めるためのシステム作りに着手。初期の段階で作ったトラックのほとんどがアルバム『Oversteps』に収録されることになった。そして、新たなライヴ・セット用にシステムに修正を加えていく。そのライヴ用セットアップと制作初期段階のスタジオ・セットアップとのコンビネーションにより生まれたのが『Move OfTen』であり、ライヴ用に構築したシステム上で、収録されたほとんどのトラックが作られていったのである。つまり、『Quaristice』以降のプロセスの中で、大きく分ければ、『Oversteps』は前半に制作され、『Move Of Ten』は後半に制作されたということだ。更に興味深いことに、『Oversteps』を最終的にコンパイルした際、『Move Of Ten』も同時にコンパイルしたというのだ。同時期とも言える制作プロセスの中で作られた作品だから、同じ流れの中でリリースしたかったとオウテカは解説する。「『Quaristice』ツアーが終わって、最初に考えたのが、メロディックな曲を作りたいってことだった。ビート作りには正直ちょっと飽き飽きしてたんだ。 だから制作の初期段階では、ビートなしで曲を作っていき、後でまた戻ってきてビートを加えていったんだ。例えばビートが入った『Oversteps』収録曲のうち数曲は、ビートだけ全体の制作作業の最後の方に足したものもある。そこから発展してビートが早くなっていったり、リズミックになっていった曲が、徐々にライヴ・セットに使いたいって思えるものになっていって、そのプロセスにヒントを得たものがEPの曲だったりもする。制作プロセスの後半にリズムとビートが欲しくなってできた曲ってことだね。感覚として『Move Of Ten』はより直接的であるべきだと思えた。」(Sean Booth)。『Oversteps』と本作『Move Of Ten』。大きな共通点を持ちながらも、異なる大きな個性を持つ2つの作品。リリース・ツアーも間もなく終了を迎え、キャリアを重ねた2人だからこそ可能となった長期にわたる一連の“実験”が終わりを告げる。オウテカの2人が新たなサウンド・デザインに向かって次なる探究をスタートさせる前に、オウテカが描いたこの美しい軌跡を一度辿ってみるべきだ。必聴!!!
Move Of Ten (Part2)

TRACKLISTING

A1. nth Dafuseder.b
A2. Iris Was A Pupil
A3. No Border
B1. M62
B2. ylm0
B3. Cep puiqMX