Nothing
Kode9
RELEASE: 2015.11.04
ダンスフロアからヴィジュアル・インスタレーションにまで接続して未来へ向かうUKベースの臨界点。ハイパーダブの首領、コード9による「無」をテーマにした待望のソロ・アルバム。
UKベース〜ジューク/フットワークを軸にハードコアでヒプノティックなダンス・ミュージックを世界に向けて発信し続ける重要レーベル。その首領コード9のソロ名義では意外にも初となるフル・アルバムが遂に完成!!
スペースエイプにDJラシャドと二人もの盟友を失った後に掲げられた「無」というシリアスなテーマのもと、グライム、初期ダブステップ、そして近年氏が傾倒するシカゴのフットワークなど自身のキャリアの変遷を土台に、ホラー映画のサントラからゲーム音楽まで飲込んで構築されたミュータント・ベースの未来を示唆する本作。まるでソウル・クエイリアンズ期のJディラが編んだような異形音響ジュークとして強烈な存在感を放つ「Void」(M-3)、ミニマルなピアノ・リフに螺旋状に折り重なるフリーキーな音の粒子、そしてそれを圧倒的な極太ベースで起爆する「Vacuum Packed」(M-7)やアルカ〜諸作をサブベースでビルドアップした「Respirator」(M-10)など一刻も早くフロアで浴びたいミッドナイト・バンガーを多数搭載。
その一方でシノグライムとジュークを交配した「Wu Wei」(M-8)、「Holo」(M-4)や「CasimirEffect」(M-9)のようなハイ・コントラストを効かせて透徹したフューチャリスティックでモダンなトラックのポップなフックも際立つ中、中盤に鎮座するスペースエイプ追悼曲「Third Ear Transmission」(M-5)とアルバムのコンセプトを体現する終曲「Nothing Lasts Forever」(M-14)の重みがリスナーを問う。
ダンスフロアからヴィジュアル・インスタレーションにまで接続可能な、まさに現代が求める“アルバム・フォーマット”というアート・フォームにおけるひとつの解答がここに誕生した。