Nerve Net
Brian Eno
RELEASE: 2022.06.10
話題の展覧会「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」の開催を記念し
入手困難となっていたブライアン・イーノの90年代を代表する名盤4作に、さらに超レア盤『77 Million』を加えた5タイトルを一挙再発決定!
全5作に同時代に制作された未発表のボーナストラックが追加され、紙ジャケ・高音質UHQCDの新装盤で蘇る!
ヴィジュアル・アートに革命をもたらした巨匠、ブライアン・イーノの大規模な展覧会「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」が6月3日より京都にて開催されるのを記念し、イーノが1992年〜1997年の間に制作した4つの名盤『Nerve Net』『The Shutov Assembly』『Neroli』『The Drop』、さらに2006年に日本で行われた展覧会会場でのみ発売された超レア盤『77 Million』を合わせた全5タイトルに、同時代に制作された未発表のボーナストラックを追加収録し、紙ジャケ・高音質UHQCDで一挙再発決定!
途絶えることなく変化する音と光がシンクロして生み出される空間芸術作品『77 Million Paintings』、代表的なオーディオ・インスタレーション作品『The Ship』、光りながら常に新たな色彩の組み合わせへと変わってゆく、LED技術を駆使した光の作品『Light Boxes』というブライアン・イーノの代表作3作品全てが一堂に会し、ランダムなパターンとその組み合わせによって、予期せぬアート作品を生み出す可能性を追求した最新作『Face to Face』が世界初公開となることも大きな話題となっている「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」。待望の再発盤5作は、築90年の歴史ある建物がまさにイーノのアートで彩られる本展覧会にて、6月3日より先行発売される。
【Nerve Net】
当時のイーノが抱いていた多様な興味や音楽的志向が多レイヤー的に取り込まれた異色の作品であり、テクノやハウス、ブレイクビーツなど、当時興隆していたクラブ/ダンス・ミュージックと共振する一方、ゴスペル・ミュージックにも傾倒していたイーノの “キュレーター”としての先駆性を浮き彫りにする1992年の秀作『Nerve Net』。よりロック寄りのサウンドに回帰しつつも歪みが有り、イーノらしい遊び心と共にファンキーさと不穏な美しさを兼ね備えた本作では、2曲で自身のヴォーカルをフィーチャーしている他、盟友ロバート・フリップ、ロバート・クワイン、レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズ、ベンモント・テンチ、EMFのイアン・デンチも参加している。未発表音源が追加収録され、オリジナルブックレット訳と柴崎祐二による最新版の日本語解説を加えた解説書を封入。音源は高音質UHQCD(Ultimate High Quality CD) 、パッケージはミニLP仕様の紙ジャケ仕様での再発となる。
【77 Million】
本作『77 Million』は、2006年にラフォーレ・ミュージアム原宿で開催された、イーノの音楽映像インスタレーション展『77 Million:An Audio Visual Installation by Brian Eno』の会場でのみ1000枚が限定販売されたもので、会期中の早期には完売となっていた。おさめられた楽曲の制作年や来歴などの詳細は明らかにされていないが、一部楽曲に1997年のアルバム『The Drop』に収録されたトラックが聴き取れることから、1990年代後半から2000年代前半までの間にイーノが録音していた楽曲である事は間違いないだろう。未発表音源が追加収録され、畠中実(ICC主任学芸員)による解説書を封入。音源は高音質UHQCD(Ultimate High Quality CD) 、パッケージはミニLP仕様の紙ジャケ仕様での再発となる。
【The Shutov Assembly】
その名の通り、共産主義国家でイーノのレコードを手に入れるのは難しかったロシア人アーティストで友人でもあるセルゲイ・シュトフに捧げた作品で、弛緩した非現実性と呼ぶべきであろう感覚にいつの間にか誘われる『The Shutov Assembly』。未発表音源を集めたセルゲイ・シュトフへの極めて個人的なテープを作ろうと、自身で未発表音源のアーカイヴを聴き返すうちに、これまで気づかなかった作品同士の連続性に気づき、気づいたらフル・レングスのアルバムを創り出していたという今作は、それぞれの収録曲にイーノのオーディオ・ビジュアル・インスタレーションの作品名を冠し、音楽とアートを邂逅させた音楽史上に残る重要作品であると同時に、イーノ自身も認めるアンビエント・ワークスの集大成的作品となっている。未発表音源が追加収録され、オリジナルブックレット訳と伏見瞬による最新版の日本語解説を加えた解説書を封入。音源は高音質UHQCD(Ultimate High Quality CD) 、パッケージはミニLP仕様の紙ジャケ仕様での再発となる。
【Neroli】
「香り」というインスピレーションを携え、セビリア・オレンジの花から取れる官能的な香りの貴重なオイルからその名を取った本作『Neroli』は、長編トラック一曲で構成されたイーノの「ムードミュージック」の究極的な具現化であり、絶対的なミニマリズムが徹底されている。空間の音環境や雰囲気へと溶け込んでいくものであり、興味深く見つめることもできるが、その場にあっても、なくてもよいものとして機能する環境音楽の聴取体験の美しさや実験精神のひとつの到達点にして、モートン・フェルドマン作品の持つ寡黙にして点描的なタッチや瞑想的な美しさにも通じる金字塔といえる。未発表音源が追加収録され、オリジナルブックレット訳と門脇綱生による最新版の日本語解説を加えた解説書を封入。音源は高音質UHQCD(Ultimate High Quality CD) 、パッケージはミニLP仕様の紙ジャケ仕様での再発となる。
【The Drop】
自ら「ジャズを曖昧で異質な視点で捉えた完全に新しい'Drop'という音楽のスタイル」と述べている通り、マイルス・デイヴィスのアンビエント性を一つのインスピレーション源として音楽制作を行ってきたイーノが、生成音楽の手法を用いたアンビエントからジャズへ再接近し、イーノ流のジャズを奏でるためのシステムを提示した『The Drop』。ジャズからアンビエントへの接近が珍しくなくなった時代であればなおのこと、単に静謐さや穏やかさといった表面的な音楽的特徴にとどまらず、人々を取り巻くように環境の雰囲気の一部となって延々と駆動し続けるかのごときジャズをシステムとして提示したという点で、いまだに掘り下げる価値のある発見に満ちた作品であり、近年、とりわけ危機的なパンデミックが世界を覆い始めて以降、アンビエント・ジャズと形容し得る音楽が相次いで生み出されている中で、再び一際輝きを放つ名盤である。未発表音源が追加収録され、オリジナルブックレット訳と細田成嗣による最新版の日本語解説を加えた解説書を封入。音源は高音質UHQCD(Ultimate High Quality CD) 、パッケージはミニLP仕様の紙ジャケ仕様での再発となる。