Transmission
Global Communication
RELEASE: 2020.09.18
マーク・プリチャードとトム・ミドルトンによる伝説的プロジェクト、グローバル・コミュニケーション。二人は1991年にタッグを組んだ後、92年よりグローバル・コミュニケーションとしての活動を本格化。リンク、E621、リロード、カメレオン、ジェダイ・ナイツといった異なる名義でも作品を発表しているが、94年にリリースされた彼らの唯一のスタジオアルバム『76:14』は、音楽史に残る名盤として広く知られている。
今回自身のレーベル〈Evolution Records〉から再発されることとなった本作には、レコーディング時のダイナミクスをフルで味わってもらうべく、トムとマークの監修の元、オリジナルのDATテープからリマスターされた音源が収録。見事な音質向上を実現させた『76:14』の他、『Chapterhouse Retranslated by Global Communication - Blood Music: Pentamerous Metamorphosis』と『Curated Singles & Remixes』を加えた3枚組CDボックスセットとなり、Pitchforkやガーディアン紙などで活躍する音楽評論家ベン・カーデューによる詳細なライナーノーツも封入される。
90年代を代表するアンビエントテクノの名作『76:14』は、ガーディアン紙が「底知れぬほど美しい時代を超えた傑作」と評し、Mixmag誌の歴代ベスト・ダンス・アルバムでも11位にランクインするなど、最高級の評価を獲得している言わずと知れた名盤。デトロイト・テクノのDNAもかすかに感じられる一方、ヴァンゲリスやタンジェリン・ドリームの映画音楽や、ブライアン・イーノによる70年代後半の画期的なインストゥルメンタル・アルバム、エイフェックス・ツインの『Selected Ambient Works』シリーズやThe KLFの『Chill Out』のような2000年以降の名盤たちとも並び称される。またテクスチャーとハーモニーを用いて驚くほど感動的な抽象的なサウンドスケープを表現している点には、マイ・ブラッディー・ヴァレンタインのような探究的なギター・ミュージック、はたまたポストロックとカテゴライズされるようなサウンドとも共通点を見出すことができる。
『Pentamerous Metamorphosis』は、90年代を代表するシューゲイザー・バンドで当時レーベルメイトでもあったチャプターハウスのアルバム『Blood Music』をまるごとリミックスした1993年リリースの革命的リワーク作品で、『76:14』ほどの知名度はないものの、評論家やコアファンの間では同作と並び称されるほどの評価を得ている。
『Curated Singles & Remixes』は、グローバル・コミュニケーションの枠組みの中にあっても、二人がまず第一に音楽愛好家であり、彼らの飽くなき実験は特定の音楽ジャンルに縛られなかったことを示すような、エレクトロニック・ミュージック・ファン必聴の非常に濃い内容となっている。デビューEP『Keongaku』からの楽曲や、ハウス・クラシックの「The Way」や「The Deep」といったアルバム未収録曲、さらに彼らが手掛けたザ・グリッドや、ローマン・フリューゲルとヨーン・エリング・ウトゥカによるユニット、センソラマのリミックス、そして未発表の「7:39」のカセット・デモも収録されており、さらにローン (Lone)による「5:23」のカバーを収録。
グローバル・コミュニケーションの3枚組CDボックスセット『Transmission』は、9月18日 (金) リリース。音楽評論家ベン・カーデューによる詳細なライナーノーツの対訳付の国内仕様盤は、300枚限定となる。なおCDボックスセットにも収録される『76:14 [Remastered Edition]』と『Chapterhouse Retranslated by Global Communication - Blood Music: Pentamerous Metamorphosis [Remastered Edition]』は、それぞれ2枚組LPでも再発される。