Music For Psychedelic Therapy
Jon Hopkins
RELEASE: 2021.11.12
"幻覚セラピーのための音楽”
アンビエントでもクラシックでもポストロックでもない、リスナーを新たな次元へと導く新感覚の体感型ミュージック、最新作『Music For Psychedelic Therapy 』を発表。
ブライアン・イーノと共にコールドプレイの『美しき生命』に楽曲提供/プロデューサーとして参加し、コールドプレイの世界ツアーをサポートしたことで注目を集めたエレクトロニック・プロデューサーのジョン・ホプキンス。2014年にリリースしたアルバム『Immunity』が英マーキュリー・プライズにノミネート、そして2018年にリリースした前作『Singularity』ではさらなる飛躍を遂げ UKチャートトップ10入りを果たすなど、世界的なトップアーティストとして活躍する彼が3年ぶりとなる最新作『Music For Psychedelic Therapy』を発表、同時に新曲「Sit Around The Fire」をMVと共に公開した。本楽曲ではプロデューサーのイースト・フォレスト(East Forest)とカルト的な人気を誇る『ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本(Be Here Now)』の著者、故ラム・ダス(Ram Dass)をゲストに迎えている。映像はTom ReaddyとLucy Dawkinsが監督を務めた。
これまでにリリースした『Immunity』と『Singularity』は、姉妹のようなアルバムだったが、それらの作品とは異なる作品として本作は制作された。スケールの大きなお祭り騒ぎや、フェスに向かって繰り広げられる喧噪から距離を置きたいという思いからできた作品であり、内面を見つめるもの、そして自我に囚われないものを作ろうとしていて、制作中そこに「調和」を目指そうという意図はなかったという。そうして生まれたアルバムにはビートがなく、ダンスミュージックやエレクトロニカのレコードというより、クラシックの交響楽に近いものになった。これはただ楽曲を聴くというのではなく、身をもって体感するべき作品で、従来からあるリズムの構成にこだわるのをやめたことで、大きな解放感を感じられる作品となった。大部分は彼にとって最も暗い冬となった2021年の1月から5月にかけてレコーディングされた。そしてこの音楽はジョンに光と決意をもたらし、何にも遮られることなく体内を流れていった。それは彼にとって今まで一度も経験したことのないものだった。
「幻覚セラピーのための音楽」というのは、ジョン・ホプキンスにとってまったく新しい方向性だ。それはアンビエントではないし、クラシックでもないし、ポストロックでもないが、その3つの要素をすべて持っている。そこには悠久の時間をまたぐ物語があり、それは音を鳴らすのと同時に空間を作るものでもある。これは幻覚体験の儀式における新たな次元に到達している。彼自身が麻酔薬ケタミンによる幻覚を見ながらこの音楽を試したところ、前に読んだことのある格言が頭の中に何度も浮かんできたという。「音楽とは液状の建築である。建築とは凍結した音楽である」それは人間の居場所となるべきものであり、また人間に多大な影響を与えるものでもある。実を言うと、そうした状態にあるときに、タイトルがはっきりと頭に浮かんできたと言う。そしてこれは、デビッド・ナット医師によってインペリアル・カレッジ・ロンドンで行われている幻覚剤シロシビンを用いた試験で使用するプレイリストについてアドバイスするという、彼自身の仕事にも通じていた。幻覚セラピーは世界中で合法化が進んでいるにもかかわらず、それに欠かせない音楽について語る者はあまりいない。古来より、幻覚体験の儀式では、薬物と同様に音楽が重要だった――音楽こそ、人が空間を自在に進むための手段なのだ。
アヤワスカ(植物由来の幻覚作用を持つ飲料)の作用は、音、歌、そして口笛によって高まる。人間の歌声を含む多様な音を視覚的な現象に変化させる効果は、ある種の情報処理を担う細胞膜もしくは境界線が、この物質の薬効によって無効化されることを示している。そして通常は聴覚を通して経験するものごとが、明らかに目に見えるようになる。これは非常に壮大な景色なのだ - テレンス・マッケナ(米国の思想家)
待望の最新作『Music For Psychedelic Therapy 』は11月12日にデジタルとCDでリリース!国内盤CDには初フィジカル化となるボーナストラック「1/2 Singing Bowl (Ascension) Excerpt」が収録され、解説が封入される。輸入盤LPは来年発売予定となっている。